もうすぐクリント・イーストウッド監督の新作『チェンジリング』が日本でも公開される。ここ数年、この監督の作品を(DVDが安く売っている、という理由で)かなり集中的に見続けてきたが、劇場で鑑賞したことが一度もないため、今回は是非とも劇場に足を運びたい。 映画の公式サイトを見てみると、映画のメインテーマらしきものが聴ける。これを初めて聴いたとき「これってもしかしたらイーストウッドが書いてるのか?」と思ったが、サイトのスタッフ紹介を見てみるとやはり監督自身によるものだった。彼が監督業と音楽を兼任している作品をこれまでにいくつか観ているが、ここにきて彼が書いた音楽はかなり興味深いように思う。 上にあげたのは『ミスティック・リバー』のサウンドトラックを紹介している動画。イーストウッドの音楽の特徴がこれを聴いていただければ大体分る――ほとんどの作品で彼は同じような曲しか書いていないのだから。彼の特徴とは
Road Show, Book | 水曜日はノー残業デー+映画館のレディースデーなので、フィリップ・ロス*1の「ダイング・アニマル*2」を、女性であるイザベル・コイシェ監督が映画化したという「エレジー」を観てきました。ストーリーは特に目新しいものではなく、大雑把に言うと大学で文学や芸術論を講ずる教授(ベン・キングスレー)と30歳年下である美しい教え子(ペネロペ・クルス)との切ないラブストーリー。小説で読んだらもっとドロドロしていたのかもしれないけれど、映画は老いを感じ始めた男の若さに対するコンプレックスを切なく表現しつつ、観終わった後、頭の中でピアノの韻律*3がリフレインする美しいものでした。テレビで自分の著書を解説し、自信家で遊び人といった感じの著名な大学教授が、若い女の子を口説くのに使った絵はゴヤの「着衣のマハ」、「君に似ている…」なーんて言われ、次のページの「裸のマハ」もチラリと見せ
『殴りあう貴族たち 平安朝裏源氏物語』を読みました。*1 雅やかなイメージの平安貴族。その実態がいかに暴力にまみれていたかを、賢人右府と呼ばれた藤原実資さんという人の日記に基づいて検証しています。 テーマがテーマだけに、目次には「従者を殴り殺す」「強姦に手を貸す」「天皇、宮中にて女房に殴られる」、「法皇の皇女、路上に死骸を晒す」等々、暴力的で陰惨すぎる見出しが…。 凶悪度で目立っているのが、権勢を誇った藤原道長の一門の人々。 気に入らない役人を拉致ってよってたかってボコボコにしたりとか、牛車に雨あられのように投石したりとか、そんなのばっかり。苦労知らずのおぼっちゃんの代になると、わがままが抑えられなくて子どもっぽいから凶悪度は二割増し! 宮中生まれ宮中育ち、悪そうなヤツはだいたい友達…(だから強姦にも手を貸す!)。 貴族だけでなくて、それに仕える従者の暴れん坊ぶりというのもひどくて、これを
友人の部屋でこれを書いている。今は日曜の朝だ。僕はこの、初めて訪れた新百合ヶ丘の部屋で、僕の二十世紀末を再生した。違う。自分にしかわからないクロニクルを語るときは正確に記述するんだ。スポーツマンが、ソテーから慎重な手つきで脂肪を切り離すように、曖昧さは排除しなければならない。言葉よ、贅肉を削ぎ落として正しいフォームを獲得しろ。雑食主義を否定しろ。必要なのは正確さ、そしてピュアネス。違うかい?僕は訊ねる。闇は答えない。友人も答えない。僕も、答えを求めていない。僕はこの部屋を知っている。友人の部屋は僕の部屋と同じにおいがした。前世紀の終わり、僕は、この部屋にいた。 2000年の初夏、多くのロックスターが黄泉へダイブした年齢に並んだ僕は、突発性の熱病に冒されたように誰にも相談することなく会社を辞めた。金曜の夜。中華料理屋のカウンター席。飛び交うチャイニーズ怒号。乱雑に扱われがちゃがちゃと悲鳴をあ
昨日の晩にニップル騎士団のテーマをシンセで弾いていたらカッコ良いアレンジを思いついてしまったのだが、楽譜に起こすのが面倒だったため、カラオケを作ってメンバーにどんな感じか聴いてもらおうか……と思ったのだが、ビールを飲んでいたせいで調子にのって弾きすぎてしまった。相変わらず、片手でしかキーボードは弾けないのだが、上手くなるとid:Delete_Allがバンドをクビになってしまうため、練習しないぞ。 ちなみにこの曲の元ネタはこれ。 映画『ゆれる』の冒頭5分はオダギリジョーのPVだ。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く