展示方法が提示する音と映像への没入体験。菅俊一評 「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」音楽を構造物(アーキテクチャ)ととらえ、コーネリアスによるひとつの楽曲と複数の映像作家らによる「音楽的建築空間」の構築を試みた企画展「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」が六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開かれている。全作品が連動している本展の鑑賞体験を、映像作家、研究者の菅俊一が解読する。 文=菅俊一 映像を展示するということ 私たちが「動いている」と感じたり「音が鳴っている」と感じるのは、直前まで接していた情報と、いま接している情報が、変化していることを読み取れたからである。もし、変化を感じ取ることができなければ頭の中に動きや音は生まれない。つまり、映像や音をつくるということは、ミクロ・マクロの様々なレベルにおいて変化する情報を設計し、時