新聞やテレビでは「遺伝子」と「DNA」は同じ意味で使われている。しかし高校レベルの生物を学べば、この二つがまったく別次元のものだと解るだろう。とはいえ自分にとっての常識が、しばしば世間の非常識だったりする。中学生以下の人は「遺伝子」と「DNA」の違いを学校で教わらないし、高校で生物の代わりに地学を履修した人も多いはず。 と、言うわけでざっくりと解説してみる。 ※なお、今回の記事は古い記憶をたどりながら書きます。間違いにお気付きの場合はぜひご指摘ください。 ずばり、「遺伝子とDNA」は、「音楽とカセットテープ」のような関係だ。DNAとは物質の名前であり、記録媒体の名前だ。そこに記録されたデータのことを遺伝子という。遺伝子とは、DNA(デオキシリボ核酸)という物質に刻まれた生物の設計情報なのだ。 これだけでは何のこっちゃ分からないので、もう少し詳しく説明していこう。 1.生物の原材料 テレビや