【台北=源一秀】台湾の馬英九総統は19日、台北市内で開かれた教育会議で演説し、中国と台湾で異なる漢字が使用されている現状について、「中国は、もっと(台湾で使用されている伝統的旧字体の)繁体字を使用してほしい」と、中国側に異例の提案を行った。 中国では1964年までに「簡体字」と呼ばれる簡略化された漢字が確立され、使用されている。一方、繁体字は台湾のほか香港などでも使用されており、中華文化伝承の象徴として、台湾住民の誇りとなっている。 ただ、簡体字と繁体字の違いから、双方の書籍や文書が理解しづらい状況が続いている。