追加景気対策にマニフェスト。麻生首相も小沢民主党代表も衆院選に向けて「ヤバい財源論」からの脱却を迫られている(1日の衆院本会議で) 「消費税率をうかつに引き上げると、あの時の二の舞になりかねない」。首相・麻生太郎は9月22日、自民党総裁選で圧勝した直後の記者会見で「まずは景気対策。中期的に財政再建」の優先順位を明確にした。「あの時」とは消費税率を3%から5%に上げた1997年度。「計9兆円の増収を見込んで、結果は前年度比で4兆円減だった。差し引き13兆円も読み間違えた。予想屋としては最悪。あれから学習しないのは愚かだ」。この発言を聞いた財務省首脳部は頭を抱えた。 消費税増税で「13兆円読み違い」? 頭を抱えたのは消費税率アップが遠のいた、からではない。新首相の言として「ヤバい」のではないかと心配したからだ。97年、首相は橋本龍太郎だった。96年度は実質2.9%の成長率を達成して衆院選も