花王の食用油エコナが販売停止になっている。その理由は以下の通り。 一般に、グリシドール脂肪酸エステルという不純物成分が食用油を製造するプロセス中で自然(非意図的)に生成し、他の食用油にも全く含まれていないという訳ではないが、パーム油中の含有量はかなり多い。この成分が体内で消化されるときに、グリシドールという物質に分解される可能性があるが、そのグリシドールには発がん性がある。そのため、パーム油を原料として使った乳児用の人工ミルクは危険なのではないか、という指摘が、今年になって欧州でなされた。 エコナは脂肪酸の含有量を減らすために特殊な製造方法をとっているが、分析をしたところ、このグリシドール脂肪酸エステルを、パーム油の30倍以上も含むことが分かった。 花王は、「グリシドール脂肪酸エステルは、通常の食用油にも含まれており、エコナの製造プロセスを見直して、含有量を通常の食用油並に減らす作業中であ
日本では、低炭素社会を実現すべし、といった大号令が掛かっていて、かなり大量の太陽電池が導入されるようだ。 例えば、文部科学省のスクール・ニューディールに含まれる政策がその例である。 それ自身、否定すべきことではないが、どうも緊急経済対策だけあって、今年限りの政策に過ぎない。未だに、長期的にどのような社会を構築するのか、といったビジョンを作る前段階にあって、「取り敢えず悪くはない」選択をしているように見える。 一方、グリーン・ニューディールは、言葉としては世界を席巻した観がある。しかし、なぜか日本では、日本版グリーン・ニューディールという言葉はできるだけ使わないといった方針のように見える。 低炭素社会とグリーン・ニューディール。この2つの目標に大きな違いはあるのか、それともほとんど同じなのか。 太陽光発電を例にして、検討をしてみたい。日経エコロミーでは、自動車を例にして検討する(7月28日予
本記事のメインパートは、日経エコロミーの7月15日号をご覧いただきたい。そちらで、総論が述べられる予定である。 日経エコロミーから来られた方には繰り返しになるが、その記事は、この5月に刊行された本、 題名「リスクにあなたは騙される 恐怖を操る論理」、ダン・ガードナー著、田淵健太訳、早川書房、2009年5月20日、ISBN978-4-15-209036-2、1800円+税。 を紹介する記事である。 この本の内容は大別すれば2つの部分からなる。まず、いかにリスクに正しく対処するのが難しいかという説明、そして、リスクの対処の具体的な例示である。具体的な例示としては、「犯罪と認識」、「恐怖の化学」、「テロに脅えて」という3つの章が用意されている。 日経エコロミーでは省略したこれらの3つの実例に関わる章は、実は、結構面白い。本日の記事は、これらのうち「恐怖の化学」を紹介する。 しかし、その前に、リス
ブタインフルエンザA (H1N1)ウイルス感染が世界的に広がりを示している。 ひょっとすると、極めて重大な事態が起きつつあるのかもしれないので、記録を残すことにする。 4月28日、WHOはフェーズ4を宣言した。フェーズ4とは、WHOが定義している6段階の4番目。 フェーズ1:ヒトから新しい亜型のインフルエンザは検出されていないが、ヒトに感染する可能性を持つウイルスが動物から検出される。 フェーズ2:ヒトから新しい亜型のインフルエンザは検出されていないが、動物からヒトへ感染するリスクの高いウイルスが動物から検出される。 フェーズ3:ヒトへの新しい亜型のインフルエンザ感染が確認されているが、ヒトからヒトへの感染は基本的にない。 フェーズ4:ヒトからヒトへの新しい亜型のインフルエンザ感染が確認されているが、感染集団は小さく限られている。 フェーズ5:ヒトからヒトへの新しい亜型のインフルエンザ感染
最近の新聞、健康食品やサプリメントの広告が増えたと思いませんか。さる新聞記者に聞いたところ、大企業からの広告が減って、そのために、これまでだと掲載されなかった健康食品の広告が出てしまうのだそうで。 しかし、健康食品やサプリメントですが、有効とされている成分の中身を皆さんどのぐらい知った上で買っているのだろうか。 ちょっと調べてみただけでも、大変な種類のサプリメントがあるが、その効果の本当のところは一体どうなっているのだろう。 C先生:今日のテーマは、思いこむことで「健康」になれるかという話。 しかし、その前に、若干の追加をしたい。先週のHPでは、子どものぜんそくにも、親の思い込みが利いているのではないか、という推測について述べた。 まずは、その続きで、リスク感覚あたりから行くか。まず、リスク感覚は思い込みで支配されているかどうか。 A君:市民のリスク感覚は、どうみてもメディアの報道によって
またまたとんでもない事件が起きたものである。もやは日本という国は、その程度の国になってしまったのだ。金儲けが最優先の国になってしまったのだ。 しかし、それにはそれなりの理由があるという議論もありうる。そのため、ここでは、健康リスクの話に集中した議論を行う。 ここであらかじめ確認しておきたいことがある。ここでは、事故米による健康リスクのみの議論をするが、そのような議論の進め方では、正しい結論はでない。 本来、(1)事故米には健康リスクがあるのか、(2)事故米を転用した企業の責任、(3)その企業を監督すべき省庁の責任、(4)そもそもミニマムアクセス米と食糧自給率などの問題をどう考えるのか、(5)日本全体の政治的な動向との関係、といった順番ですべてを議論すべきであって、そうでなければ、正しい結論には到達できない。しかし、今回、(1)の健康リスクに関するメディアでの議論が余りにもお粗末というか、む
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