固体表面の微細構造を制御することで表面に撥水性を持たせることができる。撥水性の程度は、固体表面の水滴の接触角で決まるので、表面凹部に空気(接触角:180°)があると見かけの接触角を大きくすることができる。これまで超撥水膜は、撥水性分子を用いて作製されてきたが親水性の分子を用いても、表面の微細構造を制御し、空気の割合を高めれば超撥水性を示すことが予想される。今回、約6nmサイズのナノピンからなる表面構造を作製し、空気層を増加させることで、親水性分子を用いて(接触角178°という)超撥水膜を作製した。 2004年9月慶應義塾大学大学院総合デザイン工学専攻修了、工学博士。2005年1月第43回セラミックス基礎科学討論会「World Young Fellow Meeting 2005 Presentation Award」受賞。2005年3月慶應義塾大学大学院総合デザイン工学専攻「優秀研究活動賞」