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ブックマーク / realsound.jp (42)

  • 『シン・エヴァ』ラストカットの奇妙さの正体とは 庵野秀明が追い続けた“虚構と現実”の境界

    稿には、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の結末を含む内容への言及があります。 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のラストカットは、とても奇妙な映像だ。しかし、それは嫌な奇妙さではない。 宇部新川駅を空撮で撮影した実景映像がベースなので、実写映像と言えるかもしれない。しかし、その現実を切り取ったはずの実景の映像に現実でないものが交じり合っている。 走り去るシンジとマリは手描きのアニメーションだ。よく見ると道行くモブキャラも大半がおそらくCGで作成された架空の通行人である。しかし、当に撮影時にいたであろう、自転車に乗った生身の人間や通りかかった車も存在している。そして、すでに引退した過去の車両が走っている。現実に存在するものと、存在しないもの、そして、かつて存在したものが同居している。シンジとマリは、CGのように実景と馴染ませるわけでもなく、3コマ打ちのアニメキャラとわかるようにそのまま存

    『シン・エヴァ』ラストカットの奇妙さの正体とは 庵野秀明が追い続けた“虚構と現実”の境界
    aomeyuki
    aomeyuki 2021/04/23
    作品自体に触れている部分の多い評だけど、結局「庵野秀明を語る」になってしまうのは出来上がった作品より作り方のほうが面白いからだろうなあ。あとプレビズ導入は自身で画をイメージする能力が低下のせいかも。
  • ディズニーにとっては因果応報? 『ラーヤと龍の王国』の悲劇

    先週末の動員ランキングは、3月8日に超イレギュラーな月曜公開となった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が週末まで引き続き好調で、土日2日間の動員76万1000人、興収11億7700万円を記録して初登場1位となった。初日から7日間の累計は動員219万4533人、興収33億3842万2400円。最終興収53億円を記録したシリーズ前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』のオープニング7日間との比較では動員133.6%、興収145.1%という数字だ。もちろん大ヒットは大ヒットなのだが、このままロングヒットの気流に乗るかどうかは、21日までと言われている首都圏1都3県の緊急事態宣言解除の影響、春休み興行による上増し及びその対抗馬など、複数の要素が複雑に絡んでくるだろう。 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に関しては、現状、どのメディアも企画書と原稿チェックなしでは作品のメインビジュアルを借りることもできず(

    ディズニーにとっては因果応報? 『ラーヤと龍の王国』の悲劇
    aomeyuki
    aomeyuki 2021/03/20
    アノ宇野さんによる映画興行に関する記事。ただ「ラーヤ」はエンタメ王道というか、今作られるべき作品(多くの観客に届くべき)なので、イオンシネマで良いので観に行って欲しい。「シンエヴァ」の裏話も楽しみ。
  • 【ネタバレ】『エヴァ』は本当に終わったのか 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』徹底考察

    稿には、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の結末を含む内容への言及があります。 2007年からシリーズの公開が始まった、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』。その4作目にして、シリーズ最終作となったのが、タイトルを一新した『シン・エヴァンゲリオン劇場版』だ。TVアニメ版『新世紀エヴァンゲリオン』、旧劇場版を経て、再び出発したシリーズが14年の長期に渡って公開され、前作から8年と数カ月を経て最終作が公開されたというのは、異例づくめといえる出来事だ。このような新シリーズのスケジュールは、庵野秀明監督はじめ作り手側にとっても予想していなかったはずだが、それでも成立してしまうというのは、『エヴァ』全体の熱狂的な人気があってこそだ。製作が長引き延期を重ねながらも、シリーズの興行成績は落ちるどころか、右肩上がりになっていった。 さらに、公開前に発表された「さらば、全てのエヴァンゲリオン。」という、最終作と

    【ネタバレ】『エヴァ』は本当に終わったのか 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』徹底考察
    aomeyuki
    aomeyuki 2021/03/17
    小野寺さん上手い。自分は黒澤明の「夢」っぽいと思った。「シンエヴァ」に入ってたことは実は忠実な庵野フォロアー新海誠がこの10年で先にやっちゃたからなあ。庵野さんは次にアニメ作る時は新海誠と組むのが正解。
  • 『シン・エヴァ』、緊急事態宣言下ながら興収100億円超え確実のロケットスタート

    先週末の動員ランキングは『花束みたいな恋をした』が土日2日間で動員11万4000人、興収1億5600万円をあげて、これで6週連続の1位に。累計では動員196万人、興収26億円を突破。ここまでも異常な前週比の高さで推移してきているが、驚くのは週明け月曜日の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』公開以降もそこまで前週比が落ちていないこと。現時点で興収30億円は確実な情勢だが、そこからまだまだ伸びる見込みだ。 期待外れな成績に終わったのが、初登場3位の『太陽は動かない』だ。土日2日間の動員は7万9000人、興収は1億900万円。2006年の『デスノート』に始まる配給ワーナー&主演藤原竜也のタッグは、2017年の『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』(最終興収24.1億円)まで継続的に数々のヒット作を生み出してきたが、作の週末初動成績は、最終興収12.4億円に終わった2019年の『Diner ダイナー

    『シン・エヴァ』、緊急事態宣言下ながら興収100億円超え確実のロケットスタート
    aomeyuki
    aomeyuki 2021/03/12
    構造的には「鬼滅の刃」で証明済みのパターンだけど、あとはマーケットが「鬼滅」並の存在するか?ではある。映画(邦画)については興行記録は、映画を作った(配給する)側が作り上げるものだから。
  • 長谷川博己と染谷将太は“父と子”のようだった 愛の物語としての『麒麟がくる』

    大河ドラマ『麒麟がくる』の、すべてを明智光秀(長谷川博己)と織田信長(染谷将太)の愛の物語へと収れんさせた最終回「能寺の変」の興奮が醒めやらない。かつて大河ドラマは大御所作家の歴史小説を原作とし、英雄たちの活躍を描く重厚な歴史絵巻だった。とりわけ群雄割拠の戦国時代を描く大河は群像劇の様相を呈し、大がかりな合戦シーンが見どころだったことは言うまでもない。『麒麟がくる』では幾つかの有名な合戦シーンが省略されたが、コロナ禍のせいばかりではなかったことが最終回ではっきりした。この大河が描きたかったのはそこではなかったのだ。 『麒麟がくる』が光秀と信長の愛の物語に着地したことは既にネット上でも多く指摘されている。では、それはどういう愛だったのだろうか。ここではそこを掘り下げてみたい。 水の人=明智光秀 火の人=織田信長 終盤に際立ったのは、信長の絶望的な孤独である。安土城の途方もなく広い大広間で松

    長谷川博己と染谷将太は“父と子”のようだった 愛の物語としての『麒麟がくる』
    aomeyuki
    aomeyuki 2021/02/15
    大河ドラマとしては画期的だったんだろうと思うけど、漫画や小説界隈で既にあるものを何周か送れてやっている感じもした。
  • 空前の『鬼滅の刃』現象 映画興行は「なりふりかまわない」新基準へ

    今週ほどこのコラムが書きにくい週はない。全国各シネコンの公開初日の異常なまでのスクリーン割り多さが明らかになった先週半ば以降、ソーシャルメディア→ウェブメディア→テレビという順番で、あらゆるところで話題の中心となっている『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の爆発的ヒット。今さら数字を上げるのも躊躇われるが一応。10月16日に公開された同作の初日金曜日の動員は91万507人、興収は12億6872万4700円。土日2日間の動員は251万人、興収は33億5400万円。オープニング3日間の動員は342万493人、興収46億2311万7450円。いずれも2位以下を大きく引き離して、歴代1位となる空前の初動成績を打ち立てた。 この数字は、先週末2位に初登場した『夜明けを信じて。』の約25倍。今年公開された『コンフィデンスマンJP プリンセス編』、『映画ドラえもん のび太の新恐竜』、『事故物件 恐い間取り』

    空前の『鬼滅の刃』現象 映画興行は「なりふりかまわない」新基準へ
    aomeyuki
    aomeyuki 2020/10/23
    アニメ映画は観てもどう評価していいかわからないを公言している誠実な宇野さんによる興行解説。久々の大ヒット漫画のアニメ化と宗教団体製作映画のワンツーという現実。これも2020年の日本なんだと思う。
  • 劇場版『鬼滅の刃』が驚天動地の成績を生み出した理由 映像に施された工夫から紐解く

    社会現象となっている『鬼滅の刃』の人気が、興行収入という数字で示されると、まさに驚天動地としか言いようがない。一方でアニメに詳しくない方は「何がそこまで人気なのだろうか?」と疑問に思われるだろう。今回は『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を制作したufotableの特徴と、今作で凝らされた映像の工夫や、高いクオリティを誇る各セクションの魅力について考えていきたい。 『鬼滅の刃』のアニメシリーズを制作するufotableは、アニメファンの中でも特別視されることも多いスタジオだ。その理由はどの作品であっても、1話観ただけでわかる圧倒的な映像美。日のアニメスタジオは会社の規模にもよるが、作画のみを自社で行い、撮影、美術などの他のセクションは、それらを得意としている外部の制作会社に発注を行うことも多い。また作画部門を担当していたとしても、実際に絵を描くアニメーターは自社に所属していない、フリーの人材

    劇場版『鬼滅の刃』が驚天動地の成績を生み出した理由 映像に施された工夫から紐解く
    aomeyuki
    aomeyuki 2020/10/20
    実はTVシリーズの時より「イナズマイレブン」とかのレベル5系のアニメに近くなったような気がした。監督さんが元々キッズアニメやゲーム系でキャリアを積んだことのらしさが強く出ていたと思う。
  • 細田守と新海誠は、“国民的作家”として対照的な方向へ 2010年代のアニメ映画を振り返る評論家座談会【前編】

    細田守と新海誠は、“国民的作家”として対照的な方向へ 2010年代のアニメ映画を振り返る評論家座談会【前編】 年が明け2020年に突入。同時に2010年代という時代も終わりを迎えた。リアルサウンド映画部では、この10年間のアニメーション映画を振り返るために、レギュラー執筆陣より、アニメ評論家の藤津亮太氏、映画ライターの杉穂高氏、批評家・跡見学園女子大学文学部専任講師の渡邉大輔氏を迎えて、座談会を開催。 前編では、細田守や新海誠など、今や国民的作家となったアニメーション監督に注目。なお、後日公開予定の後編では、「ポスト宮崎駿」をめぐる議論の変容や女性作家の躍進、SNSとアニメーションの関係性について語り合っている。(編集部) 最初の地殻変動は2012年 ーー2014年に『アナと雪の女王』と2016年に『君の名は。』と、2010年代に入ってから、興行収入が200億を超える作品が出てくるように

    細田守と新海誠は、“国民的作家”として対照的な方向へ 2010年代のアニメ映画を振り返る評論家座談会【前編】
    aomeyuki
    aomeyuki 2020/01/13
    評論なんで作家性の話をするのは当然なんだけど、この2人の作品がTOHOという日本のメジャーな映画会社で如何なる配給を行ったか?(ベースはジブリの鈴木Pとかが関わって発明)を分析しないといけないと思う。
  • “世界を肯定する力”をくれる京都アニメーション その卓越した技術が伝えてきたもの

    筆者は、2004年末から2010年末までアメリカのロサンゼルスに留学していた。京都アニメーションの作品に出会ったのは、2009年だった。 筆者は、いわゆる「エヴァ世代」で、90年代の第3次アニメブームをリアルに体験した世代だ。高校時代は昼間からレイトショーにかけてミニシアターで映画を観て、夜中に深夜アニメを観る生活をしていた。だが、映画学校に入学、その後、アメリカ留学時には、アニメから離れてしまった。 そんな筆者に、再び日のアニメの素晴らしさを教えてくれたのは、京都アニメーションが製作した『けいおん!』だった。夏季休暇等の一時帰国中に出会ったのだと記憶しているが、そのハイレベルな映画的センスに脱帽した。キャラクターの芝居の見事さ、小津安二郎を思わせるローポジションと切り返し、背景の写実的美しさなど驚くほどに緻密に作られていた。キャラクターデザインも目を見張った。ああいうリアルなO脚をアニ

    “世界を肯定する力”をくれる京都アニメーション その卓越した技術が伝えてきたもの
    aomeyuki
    aomeyuki 2019/08/01
  • 『天気の子』が映すエンターテインメント産業の功罪 新海誠監督が選択したラストの意図を考える

    記事は『天気の子』のネタバレを含みます。 無学なりにを読んでいると「ハレとケ」という民俗学の言葉にしばしば出会う。柳田國男によって見出された概念で、ハレとは儀式や祭の特別な日、ケとは日常を意味する、らしい。歌舞音曲、芸能は言うまでもなくハレに属するもので、つまり今日、政治や経済を動かすまでに成長したエンターテインメント産業はいわば「ハレ」が産業化された姿であるわけだ。 新海誠監督の最新作劇場アニメ映画天気の子』では、どんな天気も局地的に「ハレ」に変えることのできる少女、100%の晴れ女がヒロインとして登場する。映画は序盤に地方から家出してきた少年が東京で仕事にありつけず、あっという間に貧困化していく描写の後にヒロインを登場させ、この社会の中で彼女が瞬く間に人々から必要とされ、経済的、社会的に成功していく様子を描く。雨の中で描かれる無力な少年の貧困と、新海誠作品が得意とする、息をのむ

    『天気の子』が映すエンターテインメント産業の功罪 新海誠監督が選択したラストの意図を考える
    aomeyuki
    aomeyuki 2019/07/30
    でも新海監督が望むほどの賛否にならない思う。今のところ絶賛が多いようだし本作は是枝作品への意趣返しかも。ここが惜しいとか、おかしいとか、キモいという真っ当なツッコミ頑が並んで終了といういつもの流れ。
  • 『リズと青い鳥』『若おかみは小学生!』『ガルパン』……傑作を生み出す脚本家・吉田玲子とは

    とは、作品の設計図である。設計図が狂っていたらどんな建物も建たないのと同じで、しっかりした脚がなければ、映画もアニメも作れない。映画学校時代、「良い脚を悪い映画にすることはできる、しかし悪い脚を良い映画にはできない」と口酸っぱく講師に言われたことを覚えている。 今、日のアニメ界で最も信頼できる脚家は誰か、と問われれば筆者は「吉田玲子」と即答する。花田十輝も横手美智子も小林靖子も岡田麿里も素晴らしいが、設計図としての脚の安定感が図抜けており、ジャンルを問わず高水準の作品を産み出し続けている。 『映画 聲の形』『リズと青い鳥』などの山田尚子作品、青春映画『夜明け告げるルーのうた』、児童文学の映画化『若おかみは小学生!』や『かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ』、戦車や戦艦のバトルもの『ガールズ&パンツァー』と『ハイスクール・フリート』、女性に人気のスポーツもの『弱虫ペダ

    『リズと青い鳥』『若おかみは小学生!』『ガルパン』……傑作を生み出す脚本家・吉田玲子とは
    aomeyuki
    aomeyuki 2019/01/20
    日本だと脚本家、漫画家、小説家と言った分野で実績を残す女性が多く、世界的にも類を見ない状況があると思う。その上同人界隈という広い裾野まである。
  • 年末企画:杉本穂高の「2018年 年間ベストアニメTOP10」 脚本家・吉田玲子の年として記憶される|Real Sound|リアルサウンド 映画部

    リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2018年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、アニメの4つのカテゴリーに加え、今年輝いた俳優たちも紹介。アニメの場合は2018年に日で劇場公開された映画、放送されたTVアニメの作品から、執筆者が独自の観点で10をセレクト。第2回の選者は、神奈川県厚木市のミニシアター「アミューあつぎ映画.comシネマ」の元支配人であり、現映画ライターの杉穂高。(編集部) アニメにせよ、映画にせよ、漫画にせよ、ゲームにせよ、年間ベスト10を選ぶ作業は年々難しくなっている。なぜなら、あらゆるコンテンツが増加しているので、もはや専門分野でも全ての作品に目を通している人間はほとんどおらず、それぞれの識者によって観測範囲も異なる。アニメーションについて言えば、深夜アニメは相変わらず膨大な数が放送され、近年は劇場作品も増加傾向にある

    年末企画:杉本穂高の「2018年 年間ベストアニメTOP10」 脚本家・吉田玲子の年として記憶される|Real Sound|リアルサウンド 映画部
    aomeyuki
    aomeyuki 2018/12/28
    日本のアニメ(映画)はもう随分前からシネフィルみたいな人たちが語るに足るクオリティを獲得していた。山田尚子をロベール・ブレッソンに擬えるのは納得。この自力の強さは深夜萌え系やキッズ系といった幅の広さ。
  • 少女の通過儀礼から無我の境地までも描く 『若おかみは小学生!』がもたらす極上の映画体験

    素晴らしい映画だ。快活で、情緒豊かで、含蓄がある。少女の通過儀礼というありふれた物語設定から、「森羅万象に神が宿る」とする神道的な精神性に加え、仏教の無我の境地まで描く離れ業をやってのけている。一流の職人たちの丁寧な技術も堪能できる、極上の映画体験である。 内容に触れる前に一つだけ、作を巡る、「この映画は子供向けか大人向けか」という議論について書いておきたい。 結論から言うと、この映画は特定の年齢層に向けられた作品ではない。アニメーションが誰のための技術なのか、所詮子ども向けであり大人が観るものではないのではないか、という物言いは昔からあった。ウォルト・ディズニーはそれをくつがえすために『ファンタジア』を作って、アニメーションも芸術になれることを見せようとした。 日でも同様の問いは長いことあり続けたが、スタジオジブリはこの問いに真っ向から答えてみせた。宮崎駿は『天空の城ラピュタ』の企画

    少女の通過儀礼から無我の境地までも描く 『若おかみは小学生!』がもたらす極上の映画体験
    aomeyuki
    aomeyuki 2018/10/13
  • 公開3週目にして動員アップ中の『若おかみは小学生!』  ネット発ヒットの可能性と限界

    先週末の映画動員ランキングは人気ゲームアプリ『モンスターストライク』の劇場版の2作目『モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ』が、土日2日間で動員11万5000人、興収1億5100万円をあげて初登場1位に。2016年12月公開の前作『モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ』ほどの勢いはないものの、「映画館での無料ガチャ」、劇場の客席で入手できる「来場者特典アイテム」などの特典効果もあって、祝日となった7日(月)までの公開4日間では動員20万人、興収2億5600万円と安定した好成績を収めている。同ゲームアプリ自体の人気が継続するかどうかにもよるだろうが、今後もヒットシリーズとして定着していくかもしれない。 今週注目したいのは、トップ10ランク外ながら公開初週よりも2週目、2週目よりも3週目と、動員をじわじわ増やしている高坂希太郎監督によるアニメーション作品

    公開3週目にして動員アップ中の『若おかみは小学生!』  ネット発ヒットの可能性と限界
    aomeyuki
    aomeyuki 2018/10/12
    宇野さんの「興行」という要素に特化した映画についての話は面白い視点だし、重要だと思う。
  • ドラマ『この世界の片隅に』は作り手の本気度が伝わる圧巻の出来栄え アニメ映画版と明確な違いも

    前情報をほとんど入れずに、こうの史代の原作と2016年に公開された(今でもロングラン公開中というのだから驚きだ)片渕須直監督が手がけたアニメ映画版の知識だけをもって観たとしても、7月15日から始まったTBS系列日曜劇場『この世界の片隅に』は、作り手の気度が伝わってくる圧巻の出来栄えだ。 あえて現代パートを導入させることで、単に戦時下の物語だと落とし込まないあたりは、テレビドラマというメディアの持つリアルタイム性を存分に活かしていると見受けられる。さらに、アニメ映画版と比較されることが避けては通れない中で、今回のドラマ版ではひとつひとつのエピソードのディテールをさらに深く描きこみ、より一層ヒューマンドラマ色を強めてきた印象だ。 冒頭の広島の街でさりげなく映る「産業奨励館」、主人公・すずが幼少期に遭遇する座敷わらしの正体を早々に明かし、すずの夫となる周作の視点も織り交ぜる。第1話で描かれたの

    ドラマ『この世界の片隅に』は作り手の本気度が伝わる圧巻の出来栄え アニメ映画版と明確な違いも
    aomeyuki
    aomeyuki 2018/07/18
    改めて自分にとってドラマの話法は饒舌すぎる上に説明的で意味が薄いというのを痛感した第1話だった。役者の顔を写したいだけのカット多すぎ。それと移動する場面(風景が必要)がほぼ無いのは予算の関係だと思う。
  • 『ハン・ソロ』なぜ賛否渦巻く結果に? 良い面と悪い面から考える、その魅力と問題点

    相棒の“チューバッカ”とともに「銀河一」と豪語する高速の宇宙船「ミレニアム・ファルコン」を駆り、レーザー光線を発射する銃「ブラスター」を巧みに操って、ならず者や帝国軍と渡り合う“運び屋”。皮肉屋だが情に厚い、ハンサムなアウトロー。ハリソン・フォード演じる“ハン・ソロ”は、『スター・ウォーズ』旧三部作で最も愛されているキャラクターの一人だ。そんなハン・ソロを主人公にして、彼がルーク・スカイウォーカーに出会う前の、若かりし頃の物語を描くのが、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』である。 ディズニーによる、この『スター・ウォーズ』のスピンオフ企画第2作は、アメリカでは興行収入の面で芳しい成績を収められなかった。『スター・ウォーズ』の権利を取得して以降、爆発的なヒットの連続でビジネスを継続していきたいと考えていたディズニーの経営陣にとっては、苦々しい結果となっている。その一方で、一部では作

    『ハン・ソロ』なぜ賛否渦巻く結果に? 良い面と悪い面から考える、その魅力と問題点
    aomeyuki
    aomeyuki 2018/07/12
    ロン・ハワードの職人的上手さが発揮された1本。それと映画としての「スターウォーズ」の出来は寧ろ本作辺りがベストの1本だと思う。カスダンの脚本は評価されるべきだけど,5、6も職人監督が作った普通の娯楽映画。
  • ポップアートとしての『ポプテピピック』ーーその先進的構造の背景を読み解く

    とんでもないTVアニメシリーズが出現してしまった。いろいろな意味で破壊的な内容が話題となっている『ポプテピピック』である。爆発的な人気と注目を集めながら、自ら「クソアニメ」を名乗るこの作品、一体何が凄いのか、どう新しいのか。ここでは新設されたリアルサウンド「テック編集部」独自の方向からシリーズをじっくりと解剖し、分析していきたい。 批判を寄せつけない「クソ漫画」の先進的構造 竹書房『まんがライフWIN』連載の“大川ぶくぶ”の4コマ漫画作の原作である。背が小さくキレやすい“ポプ子”と、顔の長い“ピピ美”という2人の女子中学生が、意味不明の遊びをしていたり、世の中のムカつくものに暴力を振るったり、理由なく漫画、アニメ、ゲーム映画など既存の作品のパロディー行為をひたすら繰り返しているという内容だ。とくに現在の30代くらいの年代が反応できるようなパロディーネタが多いが、それらネタが複合的に

    ポップアートとしての『ポプテピピック』ーーその先進的構造の背景を読み解く
    aomeyuki
    aomeyuki 2018/02/19
    サブカルからのアプローチはノーサンキューで。
  • 小野寺系の『メアリと魔女の花』評:“ジブリの精神”は本当に受け継がれたのか?

    近年、新作を作る度の風物詩となっていた、宮崎駿監督の「長編引退宣言」。『風立ちぬ』完成時にも、人が「またかと思われるかもしれませんが、今回はマジです」と言いながら、その後また撤回されたわけだが、スタジオジブリの製作部門は、復帰宣言の前に当に解体されてしまった。 『魔女の宅急便』で動員数200万人を突破してから、安定的に大ヒット作品を連発、「ジブリブランド」を確立し、国内の劇場アニメのシェアを握ることになっていった、スタジオジブリと宮崎駿。スタジオ解体という状況のなかで、日の多くのアニメーションスタジオは、その王国に成り代わることを望み、アニメーション監督は、「ポスト宮崎」という玉座をねらう事態が起きている。 そこで注目されていたのが、スタジオポノックである。『思い出のマーニー』でコンビを組んだ西村義明プロデューサーと米林宏昌監督、従業員の8割がジブリの作品づくりに関わってきた人たちが

    小野寺系の『メアリと魔女の花』評:“ジブリの精神”は本当に受け継がれたのか?
    aomeyuki
    aomeyuki 2017/07/18
    作画マンとして優秀なことが保証してくれるのは絵が上手いまで。日本だと漫画の世界をみれば絵が上手い=面白いでは無い事がハッキリわかる。ここ10年の宮崎駿作品は内容の薄さを作画で埋めることでもっていた訳で。
  • 菊地成孔の『ラ・ラ・ランド』評:世界中を敵に回す覚悟で平然と言うが、こんなもん全然大したことないね

    *以下のテキストは、 マスメディアがアカデミー賞レースの報道を一斉に始める前の、2月20日に入稿、更に4日前に書かれたもので、つまり所謂 「あとだしジャンケン」ではない旨、冒頭に強調しておく。 今時これほど手放しで褒められてる映画があるだろうか? 当連載は、英語圏の作品を扱わないので今回は<特別編>となる。筆者は映画評論家として3流だと思うが、作は、複数のメディアから批評の依頼があった。大人気である。「全く褒められませんよ」「こんな映画にヒーヒー言ってるバカにいやがられるだけの原稿しか書けませんけど」と固辞しても、どうしても書けという。 そりゃあそうだ。筆者は一度だけヤフーニュースのトップページに名前が出たことがある。ジャズの名門インパルス!レーベルと、米国人以外で初めて契約したから? 違う。女優の菊地凛子を歌手デビューさせたから? 違う。正解は「『セッション』を自分のブログで酷評したか

    菊地成孔の『ラ・ラ・ランド』評:世界中を敵に回す覚悟で平然と言うが、こんなもん全然大したことないね
    aomeyuki
    aomeyuki 2017/03/06
    多少読みにくいけど納得の内容。新海誠との親和性は公開初日にTL上でも言及があったし、自分も拗らせ方がそっくりだと思う。その他にもフランス好きすぎとか、オタク的思考だけどオタクじゃ無いのも似てる。
  • 『シン・ゴジラ』脚本から見えた“もう一つの物語” 『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』徹底考察

    第90回『キネマ旬報』ベストテンが1月10日に発表された。2016年の日映画ベストワンには『この世界の片隅に』(16年)が選出され、監督賞には同作を監督した片渕須直が選ばれた。ベスト2位に選出された『シン・ゴジラ』(16年)の庵野秀明監督は脚賞を受賞。片淵監督は『魔女の宅急便』(89年)で演出補を務め、庵野監督は『風の谷のナウシカ』(84年)の原画担当からプロとしてのキャリアをスタートさせたことで知られているが、奇しくも宮﨑駿と縁深い監督たちが、監督賞・脚賞を受賞したことになる。 さて、脚賞を受賞した『シン・ゴジラ』だが、昨年末に発売された製作資料集『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』(株式会社カラー)に脚が収録されたことで、活字で目にすることができるようになった。しかも、この大冊には関連の図版、関係者インタビューはもとより、複数の初期プロットから、準備稿、決定稿、完成した映画から

    『シン・ゴジラ』脚本から見えた“もう一つの物語” 『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』徹底考察
    aomeyuki
    aomeyuki 2017/02/02
    プロットに神山健治って事で納得できる部分もあるけど、出来上がった作品は全面庵野色で寧ろ子供向け。折角政治や行政を絡めたシュミレーションとしての基盤があっても、おたくサークルの内輪話になったのが残念。