「地獄の釜の蓋もあく」。最近、インターネット上でこのことわざを頻繁に見かけるようになりました。「災いが起こるぞ!」「収拾がつかなくなる」「混乱が起こるに違いない」といった意味合いで使う人が多く、中には「地獄の釜の蓋が開いたような暑さだ」と暑さの度合いを表す人も。しかしもともとは全く別の意味がありました。 ■「広辞苑」には「殺生の戒め、薮入り」 「広辞苑 第七版」によると、「正月と盆との十六日は閻魔にお参りする日で、鬼さえもこの日は罪人を呵責しないの意。殺生の戒めに用い、またこの日を薮入りとして、住込みの雇人にも休養を与えた」とあります。「薮入り」とは「奉公人が正月および盆の十六日前後に、主家から休暇をもらって親もとなどに帰ること」。 ■副住職「鬼も休日。私たちも休みましょう」 JR熊本駅から徒歩10分のところにある大宝山来迎院(らいこういん)。副住職を務める小川大心(だいしん)さんは幼少期