自分のためではなく“他人のために” “(咳などの)最初の兆候が見られた場合、弱っている周囲の人を守るためにマスクを” マスクの着用を呼びかけるフランスのテレビCMである。このCMを見ただけでも、日本人の筆者は違和感を覚えた。 「最初の兆候が見られた場合??」 この違和感はおそらく、咳やくしゃみが出ていなくても予防的にマスクをすることに慣れている、日本人特有の考えから来たものだと思う。 フランスでは、「症状が出た人が、他人を守るためにつけるもの」がマスクであるという点で、予防的観点から自分のために着用することが一般的になっている日本とは、基本的な認識がすでに異なるようだ。 マスクについて書かれたフランスの記事に少し目を通すだけでも、「マスクは、自分のためでなく、他人のためにつけるものだ」とか、「フランスでは、他人から自分を守るためにマスクをつけるように勧められることは、決してない。病人がつけ