【ローマ=南島信也】財政危機に陥っているギリシャで4日、公務員労組「ギリシャ公務員連合」(組合員数約75万人)が公務員の昇給や賞与廃止などの政府の財政再建策に抗議し、48時間のストライキに突入した。テレビ局に乱入したり、古代遺跡パルテノン神殿で政府批判を繰り広げたりするなど、全土で混乱が広がりつつある。 公立学校の教師約20人が3日夜、アテネの国営テレビ局に乱入。教育相のインタビュー番組を中断させて「1万7千人の非常勤教師の解雇に抗議する」などと番組で訴えた後、自主的に退去した。 4日未明には、共産党系組合の約200人がパルテノン神殿に集まって「ヨーロッパの人々よ、立ち上がれ」と書かれた横断幕をアクロポリスの丘から垂らし、欧州連合(EU)とIMF(国際通貨基金)から総額1100億ユーロ(約14兆円)の協調融資を受ける条件として厳しい緊縮策を決定した政府への抵抗を呼びかけた。