タグ

ブックマーク / blog.tatsuru.com (60)

  • 「英語教育について」 - 内田樹の研究室

    昨年の6月12日に東京の私学の文系教科研究会(外国語)」で行った講演録が出版された。「東京私学教育研究所所報」84号に掲載されているが、ふつうのひとはあまり手に取る機会がない媒体なので、ここに採録する。 ○司会者  今回は、ここ最近の外国語の文系教科研究会では例をみないほど多くの先生方にお集まりいただきました。6月の今ごろは、夏休みがそろそろ見えてきて、でもまだまだ遠くて、体力的にも精神的にもだいぶ苦しいころ合いだと思います。にも関わらず、これだけ多くの先生方が今回は集まってくださり、おかげさまで満員札どめとなりました。理由はたった1つです。今回、当研究会では、内田樹先生をお招きして講演会を開催できる運びとなりました。忙しくても体力的にきつくても、この方の話ならば何としても聞きたい、それが内田樹先生ではないでしょうか。 内田先生は、現在は神戸女学院大学名誉教授であるとともに、神戸市で武道と

    arajin
    arajin 2019/06/07
    「成績をつけるのを止めれば、格付けによって資源を傾斜配分するというルールを止めれば、日本の子どもたちの学力は一気にV字回復します。」
  • ル・モンドの記事から - 内田樹の研究室

    2月4日、フランスの『ル・モンド』がNHKの百田経営委員の「南京虐殺はなかった」という発言について、それがどのような政治的文脈の中のものであるかについて解説記事を載せた。 欧米の安倍政権に対する警戒心と嫌悪感はかなり高まっていることが記事から知れると思うので、ここに翻訳しておくことにする。 「憎悪を保つ技術について」 日の公共放送NHKの経営上層部にある人物が1937年に南京で帝国軍隊によって遂行された虐殺を全面的に否定した。 「列国は南京において日が犯したとされる虐殺についての国民党指導者蒋介石のプロパガンダに何の注意も払わなかった。なぜだと思いますか?そんなものは存在しなかったからです」百田尚樹は東京での政治集会でそう言い放った。 火曜日に複数のメディアが伝えてところによれば、百田氏は東京都知事ポストをめざす極右候補者を応援している。この候補者は元航空幕僚長の田母神俊雄、2008年

    arajin
    arajin 2014/02/14
    「NHKの百田経営委員の「南京虐殺はなかった」という発言」「アメリカの歴史家ジョナサン・スペンスは死者、民間人の死者は42000人、暴行された女性が20000人、その多くがその後死んだものとしている」
  • 教育について思うこと - 内田樹の研究室

    先週末に日教組の教育研究全国集会で基調講演をした。 何度か依頼されていたのだが、在職中は入試のハイシーズンで都合がつかず、今回はじめて登壇することになった。 日教組は現在組合員27万人、組織率30%を切るまで力を失ったが、依然として国内最大の教職員組合である(ほかに共産党系の全教、自民党系の全日教連がある。全教が組合員7万人、全日教連はさらに少ない)。 私が子どもの頃、日教組の組織率は90%近かったから、高校生の私でも宮之原貞光の名は知っていた。 加藤良輔委員長に槇枝元文以降の委員長名を訊いてみたが、私は誰の名も知らなかった。 槇枝が委員長を辞めたのが83年。バブルの始まる頃である。おそらく、その頃から日教組の社会的影響力は急激に低下することになったのだろう。 私自身は1982年から90年まで日教組大学部の組合員だった。 都立大学の組合は代々木系の人たちが仕切っていたので、私は同期の助手た

    arajin
    arajin 2013/01/30
    「日教組は現在組合員27万人、組織率30%を切るまで力を失ったが、依然として国内最大の教職員組合である(ほかに共産党系の全教、自民党系の全日教連がある。全教が組合員7万人、全日教連はさらに少ない)」
  • 人々が「立ち去る」職場について - 内田樹の研究室

    大阪府教委は23日、来春採用の府内の公立学校教員採用試験で、平均倍率が4倍で史上2番目の低さだったと発表した。 中学理科では倍率が2倍を切り、府教委は「水準に達する人材が確保できなかった」と異例の追加募集を行う。 大阪維新の会の主導で厳しい教員評価などが盛り込まれた条例の施行後、初の採用試験。大阪府では橋下前知事時代から給与カットが続き、小中学校教員の平均基給が全国平均より月約2万8千円低いことも響いた可能性がある。(朝日新聞、10月24日) 記事によると、中学理科の倍率は大阪が1.9倍、京都は3.85倍、兵庫は3.1倍。東京は(中高共通枠なので単純に比較はできないが)5.44倍。 条例施行によって、大阪府の教員応募者が激減することは当然予測されていたはずである。 絶えざる査定と格付け圧力にさらされ、保護者からのクレームに対して行政は原則として「保護者の側に立つ」と公言している就業環境で

    arajin
    arajin 2012/10/30
    「成功を収めた組織というのは、例外なく「『好きにやっていいよ』と言われたので、つい寝食を忘れて働いてしまった人たち」のもたらした利益が、「手を抜いた」人たちのもたらした損失を超えた組織である。」
  • 困難な時代を生きる君たちへ - 内田樹の研究室

    神戸新聞の元日配達号に「中高生のために」一文を草して欲しいと頼まれた。 困難な時代を生きる君たちへというタイトルを頂いた。 神戸新聞購読者以外の方の眼には止まらなかったものなので、ここに再録する。 みなさんがこれから生きて行く時代はたいへんに困難なものとなります。 戦争に巻き込まれるとか、大災害に襲われるとかいうことではありません。そうではなくて、みなさんがこれから幸福な人生を送るために、どういう努力したらいいのか、その「やりかた」がよくわからないということです。 まじめに受験勉強をして、いい大学を出て、一流企業に就職したり資格や免状を手にすれば、あとは生計について心配はしなくてよいというような「人生設計」を立てることがむずかしくなった。 ただし、「むずかしくなった」だけで、まるで不可能になったわけではありません。そこがむしろ問題なんです。受験勉強なんか無駄、学歴なんか無意味、資格や免状も

    arajin
    arajin 2012/01/09
    「どんな学問や仕事を選ぶにしても「努力することそれ自体が楽しい」ことを基準にして下さい。」これが元ネタね。
  • 相撲について - 内田樹の研究室

    『通販生活』にだいぶ前に相撲について書いた。 大相撲なんて、ろくに見ないし、力士の名前ももう知らないのだが、不祥事が相次いで、「透明化」とか「合理化」とかいう話がでてきたので、「それは違うだろう」と思ってはいた。 どういうわけか、『通販生活』から「大相撲再建プラン」の提出を求められたので、さらさらと書いた。 三人の人がそれぞれ再生案をもちよって、読者アンケートしたら、私の提案が一位になったそうである。 「大相撲は株式会社すればよい」というのである。 反資主義者であるところのウチダがなぜ「株式会社化」を言い出したのか・・・興味ありますでしょ? というわけで、こんなことを書きましたというアンケート内容をブログ公開いたします(ちょっと加筆しました) どぞ。 不祥事が続く相撲協会に対して「協会の体質を改めてもっと透明性を高めるべき」「競争原理が前提のフェアなスポーツとしての意識改革が必要だ」とい

    arajin
    arajin 2011/10/27
    「大相撲は株式会社すればよい」
  • 格差と若者の非活動性について - 内田樹の研究室

    ある媒体から若者の労働観についてアンケートを受けた。 みじかい回答を期待していたはずだが、やたら長くなってしまったので、たぶんこのままでは掲載されないだろう。 自分としてはたいせつなことを書いたつもりなので、ここに転載して、諸賢のご叱正を乞うのである。 Q1.現在、世界では、経済格差(世代間格差ではなく、金持ちとそうではない人との格差)や社会への不満に対して、多くの若者たちが声を上げ、デモを起こし、自分たちの意見を社会に訴えようと行動しています。翻って日ではここ数十年、目に見える形での若者の社会的行動はほとんど見られません。これだけ若者たちにしわ寄せが行く社会になっているのに、そして政策的にも若年層に不利な方向で進んでいるのに、若者たちはなぜ、社会に対して何かを訴えたり行動したりしないのでしょうか? それは特に不満を感じていないからなのか、それともそうした行動に対して冷めているのか。ある

    arajin
    arajin 2011/10/19
    「人間が努力をするのは、それが「自分のため」だからではありません。「他の人のため」に働くときです。」しかし、対外的には競争しなきゃいけないしなぁ。
  • 多数派であることのリスクについて - 内田樹の研究室

    神戸新聞に隔週で「随想」というコラムを書いている(これが二回目)。神戸新聞を読んでいない方のために再録しておく。 これは先週書いたもの。 橋下大阪府知事は、持論である大阪都構想に賛成の市職員を抜擢し、反対する市職員を降格するためのリスト作りを維新の会所属の大阪市議に指示した。 首長選の候補者が選挙に先立って公約への賛否を自治体職員の「踏み絵」にするというのは異例の事態である。 公務員が遵守義務を負うのは、憲法と法律・条例と就業規則だけのはずである。「大阪都」構想は、その当否は措いて、今のところ一政治家の私念に過ぎない。それへ賛否が公務員の将来的な考課事由になるということは法理的にありえまい。 まだ市長になっていない人物が市職員に要求している以上、これは彼に対する「私的な忠誠」と言う他ない。彼はそれを「処罰されるリスクへの恐怖」によって手に入れようとしている。 私はこの手法に反対である。 脅

    arajin
    arajin 2011/09/21
    「後になって「ほんとうは反対だったのだが、あのときは反対できる空気ではなかった」という言い訳が通ると思えば、人はどれほど過激な政策にも同調する。」
  • 教育のコストは誰が負担するのか? - 内田樹の研究室

    増田聡くんがツイッターで、奨学金について考察している。 もう奨学金という名称を禁止すべきではないか。学生向け社会奉仕活動付きローンとか、強制労働賃金(返済義務あり)とか、いいのがとっさに思いつかないけど、現実を的確に解釈しかつ人口に膾炙するキャッチーな概念をこういうときにこそ考案するのが人文学の仕事なのではなかろうか。マジで。 すくなくとも現状の奨学金は奨学金ではなく貸学金と呼ぶべきだよな。 貸学金:たいがくきん。うっかり借りてしまうと社会奉仕を義務づけられ単位取得が滞りしまいには退学に追い込まれてしまう、恐ろしい学生ローンのこと。 今知ったんですが「貸学金」という言葉は中国語に存在しまして、うちの留学生の王さんにきいたところを総合するとほぼ日の学生支援機構「奨学金」と同種の学生貸付制度であるようだ(99年開始だとのこと)。一方で、中国には返済不要のちゃんとした奨学金も存在する。よっぽど

    arajin
    arajin 2011/07/14
    義務教育と大学教育の話がごっちゃになっている。成績優秀でない学生には学生ローンで十分。
  • 英語公用語化について - 内田樹の研究室

    「ユニクロが公用語、英語に」という新聞の見出しを見て、「UNIQLO」という単語が英語の辞書に採択されたのか、すげえと思っていたら、そうではなくて、社内の公用語が英語になったのである。 日の企業ではすでに日産と楽天が公用語を英語にしているが、ユニクロも「日のオフィスも含めて、幹部による会議や文書は基的に英語とする」ことになった。 柳井正会長兼社長は「日の会社が世界企業として生き残るため」と語っている。 海外で業務ができる最低限の基準として、TOEIC 700点以上の取得を求めるのだそうである。 こんな時代にサラリーマンをしていなくてよかったなあ、と心底思う。 英語が公用語という環境では、「仕事はできるが英語はできない」という人間よりも「仕事はできないが英語ができる」という人間が高い格付けを得ることになる。 英語が公用語になったある学部では、英語運用能力と、知的ランキングが同期してし

    arajin
    arajin 2010/06/27
    「教師が授業で何かを訥々と話しても、ネイティブが滑らかな英語でそれを遮り「あなたは間違っている」というと、クラスは一斉にネイティブに理ありとする雰囲気になってしまうのだそうである。」
  • 東に行ったり西に行ったり - 内田樹の研究室

    ハードな三日間。 4 月 30 日、教授会研修会で、大学のミッションステートメントについて研修。途中でアドミッション・ポリシー分科会を抜け出して、新幹線で東京へ。 「アドミッション・ポリシー」というのは大学がどういう学生を入学させたいのか、その「理想」を語るという趣旨のものである。 そのような「理想とする学生像」を提示できない大学にはペナルティが与えられるであろうという教育行政からのご指導である。 ほとんどの大学が志願者確保に苦しんでいる実情を勘案すると、ずいぶんシニックな考え方のようにも思われる。 だが、ほんらいは「こういう教育がしたい」という建学の理想がまずあり、「そのような教育を受けたい」という学生はその後に、その理想に「感電」するようにして登場するという順序で学校教育は生成したのである。 だから、「まず理想を」というのは順序としては正しい。 順序としては正しいが、口ぶりがよろしくな

    arajin
    arajin 2010/05/04
    「人は幼児のように扱えば、幼児のままであり、成人のように扱えば、成人に変わる。」
  • こびとさんをたいせつに - 内田樹の研究室

    金曜日はゼミが一つと会議が三つと杖道の稽古。 1年生の基礎ゼミの第一回目。 この何年か、1年生のゼミが面白い。 大学のゼミってどういうものだろう。なんだか知らないけれど、いつこうという「前のめり感」があって、こちらもそういうのには弱いので、つられて前のめりになってしまう。 最初は「ゼミとは何か」ということについてお話しする。 でも、実は私にも「ゼミとは何か」ということがよくわかっているわけではない。 だから、毎年言うことが変わる。 今回はふと口を衝いて「ゼミの目的は自分の知性に対して敬意をもつ仕方を学ぶことです」と申し上げてしまう。 言ってみてから、そういえばそうだなと思う。 ポランニーの「暗黙知」(Tacit Knowing) も、カントの「先験的統覚」も、フッサールの「超越論的直観」も要するに、「私は自分の知らないことを知っている」という事態を説明するためにつくられた言葉である。 古

    arajin
    arajin 2009/10/05
    「私たちは自分の知らないことを知っている。」「私たちの知性の暗黙の次元がそれを「先駆的に解いている」からである。」言葉を発している意識の部分は本来的な仕事はしていない上司のようなもの。
  • AO 入試が始まった - 内田樹の研究室

    AO入試の第一次選考。 これから3月半ばの後期試験の判定教授会まで、半年にわたる長い入試シーズンが始まる。 入試部長として、この入試業務の全体を統括しなければならない。 もちろん実務は入学センターの職員がやってくれるので、決定したことについて(とくに失敗したことについて)責任を取るのが私の仕事である。 立場上責任を取ったり謝ったりすることはさっぱり気にならない。 世の中には、「立場上」であれ、責任をとることを好まぬ人もおられるけれど、「立場上」というのは要するに「命までは取らない」ということである。 そういう機会に「取れるものは取っておく」というのはずいぶんと大事なことである。 予定納税のようなものである。 そのうち「どかん」と来るかもしれないものを小出しに払っておくと後で助かる。 私が「わりとどうでもいい局面」ですぐに謝るのは、「絶対譲れない局面」で絶対謝らないための「貯金」をしているの

    arajin
    arajin 2009/09/28
    合気道につきあいで入門してきた人の方が長続きする。「それは「どうして自分がここにいて、こんなことをしているのか、よくわからない」からである。 よくわからないから、なんとかして理由づけをしようと思う。 」
  • ウェブと書籍とコピーライト - 内田樹の研究室

    ひさしぶりに(ほんとうにひさしぶりに)日曜の午後にぶらりと能を見に行く。 長田の上田能楽堂で神戸観世会。 能は『東方朔』と『花筐』。仕舞で下川先生の『山姥』と家元の『井筒』を見ているうちになんだか、急に稽古がしたくなる。 家に戻って、『考える人』のアンケートに回答。 「インターネットと出版と著作権」について。 いつものようなことを書いて送る。 質問のうちに、これまで考えたことのなかったことがあった。 ひとつは「読む媒体」としてネットは使えるかという問い。 私の答えは以下の如くである。 「個人的な趣味で言えば、小説や哲学書を電車の中でモバイルで読む気にはなりません。どうしてなのかはわかりません。何となくです。文庫の形をしていて、縦書きで読める読書専用モバイルができたら、とりあえず買うとは思いますけれど。」 新聞は将来消えるのではないかという見通しについて。 「ウェブと新聞の一番の違いは、新

  • 密約について - 内田樹の研究室

    民主党の鳩山由紀夫代表は10日、核持ち込みに関する日米間の密約に関して「いろいろと疑いが出ているわけで、当然、真相、事実を国民に明らかにし たい。国内とアメリカを含めた調査が必要になると思う」と述べ、改めて究明する意向を示した。 鳩山氏が密約について話すのは、衆院選後初めて。 また、鳩山氏は同日、共産党の志位和夫委員長と国会内で会談した際、共産党が入手した密約に関する米国側の資料を手渡された。 鳩山氏が「真相究明が大切だ。何よりも事実が大事だ」と述べると、志位氏は「国民を欺いてきた問題だ。可能な協力は何でもする」と応じた。 以上、10 日の毎日新聞の記事から。 週刊文春から電話取材で、「どう思います?」と訊かれた。 「もちろん秘匿するよりは公開した方がいいでしょう」とお答えする。 でも、ある種の外交的な約束が非公開になっていたのは当然「それなりの理由」があるわけで、その「それなりの理由」の

  • 教育のもたらす利益について - 内田樹の研究室

    経済協力開発機構(OECD)は8日、加盟国の06年国内総生産(GDP)に占める教育費の公財政支出割合について調査結果を公表、比較が可能な28カ国で日は3・3%と下から2番目だった。 平均は4・9%。1位はアイスランドの7・2%、デンマーク、スウェーデンが続き、北欧が上位を占めた。日は最下位だった05年調査の3・4%より0・1ポイント減少。 日は小中高までの初等中等教育は2・6%で下から3番目、大学などの高等教育は0・5%と各国平均1%の半分で最下位。 全教育費に占める私費負担の割合は33・3%と韓国に次いで2番目に高く、平均の2倍以上だ。 日は、高等教育への財政支出対GDP比率が先進国最低の国である。 文科省はこれを5%にと要望したが、財務省に一蹴された。 教育は私事であるから、公的支援には及ばないというふうに考えておられるのであろう。 教育は自己責任で行え、と。 行政を頼るな、と

    arajin
    arajin 2009/09/12
    「教育は人々を「社会化」するために作られた制度である。 私人を公民に成熟させるために、公共の福利を配慮する人間をつくりだすために、人々を「類的存在」たらしめるために作られた制度なのである。」
  • ブリコルールの心得 - 内田樹の研究室

    土曜日はひさしぶりのお稽古。3週間ぶりに身体を動かす。 滝のような汗。 さすがにお盆なので、稽古に来る人は少なく、20人ほど。 いつもの半分である。 日曜日は多田塾甲南合気会の「第0回演武会」。 来年第一回をやる予定なので、予行演習である。 29人が演武する。 私も回らぬ舌で説明演武をする。 身体は動かしていないけれど、このところ『日辺境論』にずっと武道のことを書いているので、理だけは進んでいる。 その「理」の部分を話す。 理だけ進んで身体がついてこないということはあまり起こらない。 というのは実際に身体能力の発現を阻んでいるのは大半が脳内のファクターだからである。 身体はいろいろなことができる。 意識化して操作する運動と数桁違うくらいの種類の運動をこなすことができる。 それができないのは脳が「人間の身体というのはこういうふうに動くものである」という思いこみによるリミッターをかけているか

    arajin
    arajin 2009/08/18
    「脳が「人間の身体というのはこういうふうに動くものである」という思いこみによるリミッターをかけている」
  • 河合塾でお話 - 内田樹の研究室

    日曜は河合塾で講演。 去年も同じ頃に河合塾で予備校生たちを相手に講演をした。 先生たちの間に読者がけっこういて、お呼びくださったのである。 300人ほどの予備校生たちを前に「脱=市場原理の教育」というお題で2時間半近く話す(このところどこでもタイトルはいっしょである。中身はばらばらだけど)。 生徒たちはい入るようにこちらを見つめている。コワイくらいである。 当然である。 彼らは日々「こんな勉強やることに何の意味があるのか」という身を切るような問いを自分に向けている。 そこに私のような人間が現れて「『こんな勉強をやることに何の意味があるのか』という問いそのものが市場原理に侵された思考なのである。いいから黙って勉強しなさい」というようなことを言い出すわけであるから、これは頭がぐちゃぐちゃになって当然である。 けれども、私はべつに有用な知識や情報をお伝えするために登壇したわけではない。 教育

    arajin
    arajin 2009/07/15
    「「機嫌のよい教師」「いつもにこにこしている先生」を組織的に生み出すことの教育上の有効性」「「心を開く」ときに、脳の演算能力は向上し、「心を閉ざす」ときに、脳の機能は劣化する。」
  • 変化が好きなのキライなの - 内田樹の研究室

    朝起きて、ねぼけ眼で新聞を開くと、そこに自分の顔写真があって目が合うというのは、あまり気分のよろしくないものである。 今朝の毎日新聞でも、兵庫版で県知事選についてコメントをしている。 私は別にコメントすることなんかないので「コメントすることなんか、別にありません」と最初はお断りしたのである。 では、どうしてそういうふうに有権者の関心が低いのかを含めてコメントを・・・ということで、しかたなく取材を受けたのである。 でも、取材されると、やはりない知恵をしぼって、いろいろ考えるものである。 私が思いついたのは、国政は激しく変化することを好む領域であり、地方政治は惰性が強くて、あまり変化を好まない領域だということである。 そういう社会の変化や民意の変化に対する「感度」の差が国政と地方自治のあいだにはある。 別に誰が決めたわけでもないが、そうなっている。 誰が決めたわけでもなくそうなっていることには

    arajin
    arajin 2009/07/08
    「国政は政治的幻想で動くが、地方政治は生活実感で動く。」
  • 草食系男子の憂鬱 - 内田樹の研究室

    大学の三年生ゼミは「草系男子」について。 先般、四年生のゼミでも同じ主題が取り上げられたので、彼女たちからするとかなり喫緊の課題のようである。 発表後とりあえず全員に聞き取り調査をして、「あなたが知っている草系の実像」についてご報告をうかがう。 いや、聞いてびっくり。 ゼミ生のほとんどの彼氏が「草系」なのである。 特徴は すぐ泣く。 拗ねる。 「どうせぼくなんか・・・」といじける。 かわいこぶる(齧歯類系の「かわいさ」を演じるのが上手) メールに顔文字をたくさん使う。 優柔不断で、「何べる?」「どこ行く?」といった質問に即答できない。 化粧品にうるさい。 肌を美白に保つことに熱心。 ヘア命(ヘアセットができてない姿を見られると、スッピンの女性のように身もだえするらしい) 家族と親密。 などなど。 こういう男子が20代に大量に存在しているらしい。 ううむ、そういうことになっているとは