九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)の長崎延伸が先送りになった。馬淵澄夫国土交通相が21日、整備新幹線の諫早―長崎間(21キロ)など未着工3区間について年内の着工判断を見送ったからだ。財源をはじめ、国から課された条件のハードルも高く、今後の展望は開けない。 長崎新幹線の延伸については、その前提となる長崎駅の整備を自民党政権が進める方針だったが、政権交代で白紙撤回された。さらに前原誠司・前国交相は昨年12月、着工の基本5条件を挙げ、これをクリアしない限り、新規着工を認めないとした。 特に難関なのが安定財源の確保だ。長崎・佐賀両県をはじめ、新幹線延伸を求める各自治体は来年度の政府予算の歳入不足を補う財源として、独立行政法人鉄道・運輸機構の利益剰余金を整備新幹線の建設費に回すよう国に要請を重ねてきた。 だが、国が21日下した決定は、大半の剰余金の国庫返納だった。長崎県の中村法道知事は記者会