全国でサルが農作物を食い荒らす被害が相次ぐ中、三重県農業研究所(松阪市)がサルの侵入を防ぐ「防護柵」を改良し、支柱に電気を流して乗り越えられないようにした。 防護柵の最上部に水平に張られた電線には電流が流れていたが、サルは電流が流れていない支柱をつかんでいるという盲点に研究員が気づいた。県内7か所の農家に協力してもらって半年間、実験したところ、被害が確認されなかったという。 農林水産省によると、サルによる2010年度の農作物の被害は、8500トン、19億円で、前年度より400トン、2億円増えた。対策としては、田畑や果樹園を防護柵で覆うことが一般的だが、農家からは「高い柵でも電気が流れていないところを見つけて乗り越えてしまう」との声があり、研究所で対策を検討してきた。 研究所主任研究員の山端直人さん(42)が監視カメラの映像を解析した結果、サルは支柱をつかみながら上り、高さ2メートル以上の柵