米国では映画化もされた有名な事件で頻繁に参照されているのだと思うが、2012年に性的暴行事件が完全な冤罪であったことが示され、服役していた男性の罪が取り消された事件の部分的紹介が流れ、反響を呼んでいた。ネット界隈では女性の一方的な被害の告発によって冤罪が生じたと理解されつつあるようだ。しかし、実際の経緯はもっと複雑だ。 2002年、当時16歳のBrian Banks氏は将来を嘱望された高校生のアメフト選手だったが、何らかの事情で当時同級生の女子高生Wanetta Gibson氏と険悪な雰囲気となって別れ、後でGibson氏に誘拐と強姦で刑事告訴された*1。 Gibson氏の身体には強姦された形跡は無かったが、Banks氏は逮捕され、罪を否認して懲役41年になる可能性を、司法取引に応じて減刑を受けるかの選択を10分以内に迫られた。Banks氏は司法取引に応じ、懲役6年、保護観察5年、性犯罪者