運転中に急病で死亡したトラック、バス、タクシーの運転手が、昨年までの5年間で計196人に上ったことが、国土交通省への取材でわかった。 第三者が巻き込まれて死傷した事故も86件発生。脳や心臓の疾患が多くを占めていることから、同省は、ドライバーに対する専門的な検査を促進するため、事業者向けの指針作成に乗り出した。 「突然意識がもうろうとして、記憶がなくなった。アパートに衝突した記憶はない」 東京都小金井市で昨年1月、回送中の路線バスが歩道に乗りあげ、アパートに突っ込んだ事故。通行人などにけがはなかったが、50歳代の男性運転手は事故後、国の事業用自動車事故調査委員会の調査に対し、そう話した。 これ以外にも、昨年9月13日には、千葉県の東京湾アクアラインで、高速バスの60歳代の運転手が脳出血となり、軽乗用車に追突。異常に気付いた乗客が急ブレーキをかけて停車させた。