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ブックマーク / www.anlyznews.com (125)

  • 凶悪犯罪は経済活動の邪魔になる

    当たり前に思えるが、実データで観測するのが難しい社会現象は多い。例えば、凶悪犯罪は経済活動の邪魔になると言う話は、経済が悪くなると治安が悪化する効果も予想されることから、小うるさい経済学者が納得するような分析で裏付けることは難しい。しかし、上手い自然実験を探し出して、これを確認した人がいた。 マーシャル経営大学院のSandra Rozo助教は、凶悪犯罪が横行し、世界2位の他殺率だったコロンビアが、アルバロ・ウリベ政権の治安維持の強化方法に着目して、凶悪犯罪発生率と経済活動の関係を分析した*1。ウリベ大統領は自分への支持率が高い地方自治体を優先して治安強化をしたので、経済が治安に与える影響を無視して、治安が経済に与える影響を分析できるそうだ。実際、ウリベ政権前の6年間の治安の変化は、2002年の大統領選でのウリベ大統領への支持率に関係が無かった。そして2002年から2010年のデータを分析し

    凶悪犯罪は経済活動の邪魔になる
    arajin
    arajin 2018/12/02
    “ウリベ大統領は自分への支持率が高い地方自治体を優先して治安強化をしたので、経済が治安に与える影響を無視して、治安が経済に与える影響を分析できるそうだ。”
  • 解析学のさくらんぼ計算

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    解析学のさくらんぼ計算
  • プログラマも、そうでない人も、手にとってみて欲しい「白と黒のとびら」

    ここ十年間ぐらいで数学ラノベ的なは何十冊も出ているのだが、小説としてのクオリティを持ちつつストーリーの鍵に数学を取り込めたものは殆ど無い。登場人物間の会話のコンテクストとしてのみ数学が使われているライトノベル、説明される数学の内容と乖離したストーリーが他作品の雑な模倣に思える人物設定で展開される学習ガイドと、人気作品でも求める水準とは言えない。 無理な要求なのかなと諦めていたのだが、読むを間違っていただけだった。「白と黒のとびら: オートマトンと形式言語をめぐる冒険」は、私が求める水準を超えているファンタジー小説で、至高の存在と言ってよい。上手く称える言葉が見つからないが、ともかく手にとって読んで欲しい。 オートマトンや形式言語については何も知らないし、特に興味が無い? — 数学ラノベではあるが、読者にほとんど事前知識は要求しない。ファンタジー小説として成立しているし、ぼんくら風味の主

    プログラマも、そうでない人も、手にとってみて欲しい「白と黒のとびら」
    arajin
    arajin 2018/10/31
    積ん読になってる。冒頭だけでも読んでみるか。
  • 日本では女性への暴力は少ないと言う調査結果に困惑するフェミニスト

    ask.fmで紹介されて拝読したのだが、大阪府立大学人間社会学研究科で学位を取得したフェミニストの小松原織香氏(font-da氏)が、「女性に対する暴力被害は、EUと比較すると、少ない。暴力の形態に限らず,EUのほぼ半分である」と言う龍谷大学の津島教授と浜井教授の調査結果*2に困惑をして難癖をつけていた*3。フェミニスト vs 犯罪社会学と言うのが興味深いが、それはさておき難癖になっていることを言及しておきたい。 小松原氏は、 性差別が強く性教育が行き届いていない国では、被害者が自分が暴力を受けていてば、それに気づかず、「暴力であること」自体を認知できない。 ので津島・浜井の結論は支持できないと言うのだが、さすがに日に夫に殴られた事を暴力だと認識できないはいないであろう*1。 性的暴力であれば、夫婦間での性的暴行を法的に認めない社会であれば、夫と不意ながら性行為を行なっても性的暴行だ

    日本では女性への暴力は少ないと言う調査結果に困惑するフェミニスト
  • ジェンダー論をやっている社会学者にも「マンガ 化学式に強くなる」を読んで欲しい

    そして発狂して欲しい。 ある秀逸なエントリー*1を眺めて興味をもって「マンガ 化学式に強くなる―さようなら、「モル」アレルギー」読んだのだが、面白かったので紹介したい。日のポピュラーサイエンスの雄、講談社ブルーバックスの一冊なので同人ではない。中学生向きなのだが、オトナにも3つの意味で懐かしいと思う。 内容は、男性経験が豊富で脳みそが色ボケしている女子高生に、恋愛経験なく奥手なつくばの研究者(ただし、チェック柄のシャツではない)が化学を教えるという、ジェンダー論をやっている社会学者が発狂しそうなプロットの学習マンガである。白いモノで、先生役のつくばの研究者は塩を連想し、生徒役の女子高生は…恥ずかしくて言えない。 創作物がジェンダー・ロールに影響を与えるかは疑わしい*2し、そうだとしても女の子だから科学にやる気がないと言う偏見なのか、やる気がない女の子も化学を勉強すべきと言う主張なのかは

    ジェンダー論をやっている社会学者にも「マンガ 化学式に強くなる」を読んで欲しい
  • 最高裁「裁判官は担当外の裁判であっても安易にケチをつけるな」

    Twitterでの発言に関して分限裁判にかけられていた白ブリーフこと岡口基一裁判官への処分が確定した。SNSでよく発信している弁護士は概ね岡口氏の支持者であり最高裁の判決を非難しているようだが、全員一致の最高裁判決なので無碍にはできない。法曹界の究極のお偉いさんの思考形態を検証する価値はあるはずだ。岡口氏自身が分限裁判の決定理由の書面をアップロードしているので、素人ながら中身を確認してみたい。 1. 問題とされた岡口裁判官の行為 事実上、裁判官であると周囲から認識される状態で、反省の弁を述べながら何回も軽率なツイートを繰り返した事から処分に至ったそうだ。具体的には、(1)裁判官であることを示す辞令書とともに裸体/白ブリーフと緊縛写真の掲載を行なったこと、(2)特定の性犯罪事件の内容に言及して被害者遺族の感情を傷つけるなどしたこと、そして直接の懲戒原因となる(3)置き去りにされた犬を保護して

    最高裁「裁判官は担当外の裁判であっても安易にケチをつけるな」
    arajin
    arajin 2018/10/22
    “裁判官の当たり外れで裁判結果が変わる”は事実。
  • 沖縄の歴史や社会を調べずにイデオロギー的歴史観を振り回している社会学者の卵: ニュースの社会科学的な裏側

    社会学者の卵の古谷有希子氏が、ここ二ヶ月ぐらい沖縄の歴史や社会を調べずにイデオロギー的歴史観を振り回している*1のだが、なかなか酷いことになっている。沖縄は植民地だが、沖縄の人々はそれが認識できていないと高らかに宣言している。普通の定義では植民地とは言え無いし、これは他人をバカだと愚弄している。 植民地の明確な定義は無いのだが、普通は司法や行政が国政府と切り離されている一方で、国政府の意向に従わないといけない地域の事を指すことが多い。少なくとも現在において、沖縄と内地で司法や行政は連続しているから、植民地とは言えない。また、米軍は当初、琉球を日の植民地と捉えて解放するつもりだったのだが、独立ではなく土復帰運動が圧倒的に優勢であったので、土復帰になった経緯がある。 「沖縄の状況や歴史はハワイとよく似ている」とあるのだが、そんな事は全く無い。ハワイは独立国として諸外国に承認されていた

    沖縄の歴史や社会を調べずにイデオロギー的歴史観を振り回している社会学者の卵: ニュースの社会科学的な裏側
    arajin
    arajin 2018/10/10
    “沖縄の在日米軍は面積では7割を占めるが人員では5割程度”
  • ニュースの社会科学的な裏側: ジェンダー論をやっている社会学者は“被害者”

    社会学者の千田有紀氏の何度目かの炎上騒動の最中なのだが、「市民的公共性」と言う単語を濫用して突っ込みを受ける*1ばかりではなく、自分は権威なのだから素人は学識を疑うなと言う姿勢の過去の発言が槍玉にあがっている*2。 今回の事例だけではなく、他分野から見て根拠をよくつけられていない主張を社会学者がすることは多く、社会学と言う学問への疑問が渦巻く自体になっている。しかし、千田有紀氏の議論に関しては、社会学と言うよりはジェンダー論に内在した問題に思える。 1. ネット界隈で露呈するジェンダー論界隈の主張の脆弱さ ネット界隈ではお気持ち表明と揶揄されているが、ジェンダー論者はその程度の論理しか構成できない。 小宮友根氏は相関と因果の見分けがついていなかった*3し、古谷有希子氏のときは彼女がまだ院生であることを加味しても、周囲の社会学者はあれだけ初歩的な間違い*4を指摘することなく、むしろ擁護してい

    ニュースの社会科学的な裏側: ジェンダー論をやっている社会学者は“被害者”
    arajin
    arajin 2018/10/09
    「ジェンダー論の社会学者が、大学で学んだもの」「ポストモダン思想にかぶれて明瞭で検証可能ある作文をしないジュディス・バトラーが、虚構の逸話にインスピレーションを受けて思いついた議論が「理論」とされて」
  • 炎上しているのはキズナアイでは無くフェミニスト主張の根拠の無さ: ニュースの社会科学的な裏側

    社会学者の千田有紀氏が、キズナアイ騒動での自己の見解を補足するエントリーをあげて、さらに批判を受けている。 ポエム調のゆるふわ作文で主張をとりづらいのだが、前のエントリーとあわせて考えると「メディアにおける女性の役割が、女子に既存の性的役割分担を認識させ、その進路に影響する」と主張しており、女の子キャラのキズナアイが「聞き手」を担当したのが理系忌避をもたらすと考えているようだ*1。この千田有紀仮説は成立しているのであろうか? 1. 女子アナやアイドルは女子の理系忌避の要因か? 性的役割分担の話なので、キズナアイではなく生身の女性でも同じ現象が生じるはずだが、女性アナウンサーがインタビューアになったり、女性アイドル・グループの存在することが、女子の理系忌避につながっていると言えるであろうか? — かなりの無理筋である。女子アナやアイドルは一般に目指せる職業では無いし、女子アナやアイドルが行な

    炎上しているのはキズナアイでは無くフェミニスト主張の根拠の無さ: ニュースの社会科学的な裏側
    arajin
    arajin 2018/10/05
    “ジェンダー平等指数が高い国ほど、理工系学部の女子の比率が低くなる傾向がある。”
  • 教科書に書いてあることを簡単に信じないのは研究者養成コース: ニュースの社会科学的な裏側

    2018年のノーベル医学生理学賞を受賞した京大の庶佑特別教授がインタビューで、研究にあたって心がけていることは「(論文とか書いてあることを)簡単に信じない」、研究者の道に進む夢を見る子どもたちに伝えたいことは、「教科書に書いてあることを(簡単に)信じないこと」と答えて*1、疑似科学界隈を活発化させるのではないかと言う危惧を呼んでいる。「一般向けになされたという意味では失言…きちんと弁解していただきたい」と発言全体を読まずに非難している社会学者まで現れている。 1. 論文に書いてある事を批判的に読むのは当然 論文に書いてある事をすぐに信じないのは大事な事だ。数報の学術論文を引っ張るだけで、あたかも確定した事実のように主張する人にはつらいだろうが、生命科学分野や心理学の論文の半数は再現性が無いと言われているし、重大な不正論文もよく指摘されている*2。それ以外の分野でも、誤りが見つかることは多

    教科書に書いてあることを簡単に信じないのは研究者養成コース: ニュースの社会科学的な裏側
    arajin
    arajin 2018/10/04
    「実験数学読本」「そう言えば霧箱で放射線を見たいのだが、まだやっていない。」
  • 数学徒ではなくプログラマ向きの「数学ガール/乱択アルゴリズム」

    数学ガールのシリーズの中で一つ異質な副題を持つのが、「数学ガール/乱択アルゴリズム」だ。乱択アルゴリズムは著名な数学の予想問題ではないし、聞きなれない単語だと感じる数学徒が多いと思う。実際に、シリーズの他のタイトルが理学的な内容であるのに対して、書は工学的な側面が強いものとなっている。数学の部分はシリーズ中もっとも易しく、数学徒向けと言うより、プログラマもしくはプログラマ志望者向きと言えるであろう。 内容は条件を満たす論理値を求める命題論理式の充足可能性問題を解くランダム・ウォークのアルゴリズムと乱択クイック・ソートの二つの乱択アルゴリズムの計算量を求めるものとなっている。プログラムの話になっているため抽象プログラミング言語などが定義されたりしており、数学徒向けではないと思う。しかし、プログラマから見れば、知っておいた方が良い知識が入っている。 アルゴリズムの計算量を求めるのに必要な知識

    数学徒ではなくプログラマ向きの「数学ガール/乱択アルゴリズム」
  • ミルカ様が狂人風の「数学ガール/ガロア理論」

    ふと軽い読み物が欲しくなって「数学ガール/ガロア理論」を手にとって見た。期待通りに軽い感じなのだが、方程式の解の公式が存在できる条件を示したガロア理論の概要だけを知りたい人には良いになっていると思う。また、私のように群論をちょっとだけ勉強した人には、復習教材として良いかも知れない。もちろん群論やガロア理論に興味をかきたててくれる一冊であるから、格的な数学書を読む前の前菜としてもお勧めできる。 1. 数学の部分 ページ数は454ページとあるのだが、式の展開と図が豊富なので厚さの割りには手軽に読める。文章自体に大きな混乱は見られない。 構成は練られていると思う。群があみだクジから説明されていくのは、多面体群から説明する良くある方法よりは作業量的にとっつきやすいかも知れない。ケーリーグラフが多用されており、直観的な理解がしやすいように工夫されている。線形空間で添加体と拡大次数を説明したあとに

    ミルカ様が狂人風の「数学ガール/ガロア理論」
  • 駄洒落は面白い「数学ガール/ゲーデルの不完全性定理」

    良く知らない分野のを手にすると、往々にして文字が意味の無い絵に見えてくるゲシュタルト崩壊が起きるものだが、「数学ガール/ゲーデルの不完全性定理」も例外ではなかったようで、かなり読み進めるのが辛かった。ゲーデルの不完全性定理の主張と証明の大雑把な流れは理解できたものの、難解な定理はラノベ風味にしてもやはり難解な印象を受ける事は変わらないことが分かる。著者はかなりの準備期間をもって執筆したようだが、普段は目にする機会の少ないメタ数学の一般書が困難である事を示すことになったようだ。 第10章のゲーデルの不完全性定理の格的な説明に踏み込むまでは、比較的平易な記述が続く。第6章のε-δ論法と、第9章のラジアンの話がゲーデルの不完全性定理の説明にどう結びつくのかは不明であったが、推論規則やゲーデル数への言及以外は一般に良く使われる範囲の数学だと思われる。もちろんこの二つも最後に繋がる部分なのでおか

    駄洒落は面白い「数学ガール/ゲーデルの不完全性定理」
  • ニュースの社会科学的な裏側: 証明問題が苦手な中高生が読むとよさげな「定理のつくりかた」

    数学書と言えば、定理の説明とその証明の組み合わせが続く如何にもと言う内容のものが典型だが、定理が導き出されるまでの模索について説明されることは少ない。学術史的に動機が説明される事はあるが、数学者がどのような試行錯誤を行なっているのかは、大学院に進学して教員に指導されてみないと中々見えない世界であろう。 『定理のつくりかた』は高校生に数学研究の進め方、考え方を説明した公開講座の内容を膨らませたで、著者の数学研究の方法を中学校で教わる範囲の数学を例に説明してくれる。著者は自分の研究の進め方が普遍的なものとは限らないことを注意喚起していたが、褒める数学者はいても、疑念を挟む数学者はまだいないようなので、少なくともオーソドックスな方法の説明になっていると思う。 学習教材としてみると、証明問題の解き方のになる。問題と言うか命題を理解し、証明をしていく道筋を模索する方法が説明されているので、証明問

    ニュースの社会科学的な裏側: 証明問題が苦手な中高生が読むとよさげな「定理のつくりかた」
  • 泊原発が動いていたら、北海道胆振東部地震で広域停電は発生しなかったか?

    泊原発が動いていたら9月6日の平成30年北海道胆振東部地震で広域停電が生じなかったと言う説が唱えられ、それに対する反論がネット界隈で行なわれている。政治的に原発停止が決定された*1と不満を持つ人々と、原発が有益とする情報は全て否定したい人々の、技術的要請がどのようなものか整理すらしない論争で頭が痛い。 地震が発電・送電設備に与えた影響もまだ詳細は分かっていないし、また泊原発が動いていたときに、他の発電所の稼働状況がどうなっているかは、反実仮想における北海道電力の発電計画次第なので、現在までの情報では判断がつかないのが結論になると思うが、泊原発が動いていても絶対に無駄だったと言う主張*2は胡散臭いので指摘しておきたい。 1. 電力供給は十分であった説は意味不明 「周波数が下がったためであって、電力供給は十分であった説」を唱えているネット左翼の人がいるのだが、電力供給が不十分になると周波数が下

    泊原発が動いていたら、北海道胆振東部地震で広域停電は発生しなかったか?
    arajin
    arajin 2018/09/19
    “政治的に原発停止が決定された*1と不満を持つ人々と、原発が有益とする情報は全て否定したい人々の、技術的要請がどのようなものか整理すらしない論争で頭が痛い。”
  • ミレニアム問題は概説するのも難しいことが分かる「数学ガール/ポアンカレ予想」

    深みにはまりそうな話の表面を、キチンと証明も説明もせずに泳いでいかないといけない数学を書くのは易しくはなく、数学徒でも理解するのに苦労する未解明問題や最近証明されたミレニアム問題だと尚更そうなるようだ。実にもやもやっとしたP≠NP問題の紹介を読んだ事がある。結城浩氏の人気シリーズ最新作「数学ガール/ポアンカレ予想」も例外では無かった*1。 1. ポアンカレ予想の説明 ポアンカレ予想と言う言葉に惹かれて読むと、がっかりすると思う。ポアンカレ予想は途中でも言及はされるが、第10章まではほとんど出て来ないし、第10章の説明もだいたい歴史的な経緯の説明に留まっている。ポアンカレ予想を含むサーストンの幾何化予想を、ペレルマンが特異点の問題を解決してハミルトンのリッチフロー方程式を用いて証明したことは紹介されるのだが、リッチフロー方程式がどのようなものか、どう用いるのかは実際問題、説明されない。

    ミレニアム問題は概説するのも難しいことが分かる「数学ガール/ポアンカレ予想」
  • 「集合と位相」をなぜ学ぶのか ― 数学の基礎として根づくまでの歴史

    数学を真面目に使おうとすると避けては通れない集合と位相だが、その教科書を読むとやや抽象的なきらいがあって気が滅入る傾向があり、必要になったときに学べば良いのでわざわざ講義を設けるほどではないと言っている著名数学者もいる*1。 どのみち必要になるので悩む前に学べと言うのが大方の見解だと思うが、それではちょっとつれないと思われるかも知れない。今後の見通しが欲しい初学者がいたら、よい補助教材が出ていたので紹介してあげよう。 1. 必要性と絶対に覚えるべき事が学べる数学 『「集合と位相」をなぜ学ぶのか』は、2つの方向から数学史を追って集合と位相の必要性を説明してくれるだ。普通の集合と位相の教科書であれば、第3章「実数直線と点集合」、第4章「平面と直線は同じ大きさ?」、第5章「やっぱり平面と直線は違う」と第7章の最後のところを膨らませたと思うが、書は歴史的事情、つまり解析学の発展との相互関係

    「集合と位相」をなぜ学ぶのか ― 数学の基礎として根づくまでの歴史
  • テトラちゃんが女で怖い「数学ガール」

    ラノベに新しい境地を開いたと名高い「数学ガール」を拝読してみたのだが、文学的に違和感が色々と残る作品だった。 内容は、妙に馴れ馴れしいミルカとテトラと言う少女二名と、妙に意識の高い系かつ性的関心の薄い「僕」が数列などから切り込みフィボナッチ数やカラタン数を説明したあとに、母関数を学び、、ゼータ関数やバーゼル問題につなげていくお話だ。書のあとに出た『離散数学「数え上げ理論」』を読んでおくと、数学の部分は理解しやすいと思う。 1. キャラ設定は徹底されているのか? 文学的に違和感が残ると言うのは、キャラクターの設定が徹底されていない印象を受けるところだ。強烈な裏設定があるようにさえ思えてくる。 ミルカの「微分って、要するに変化量だよ」と言う説明を考えてみよう。変化率を表す導関数を導出する行為が微分のはずだから、人によっては違和感が残るはず。饒舌キャラでは無いとは言え、器用な女であるミルカが疑

    テトラちゃんが女で怖い「数学ガール」
  • 極東ブログの政治バイアス:野田中央公園の補助金・交付金への誤認識

    事実が明らかになってから半年以上経つのに、安倍政権擁護のためにオルタナティブ・ファクトをばら撒いているブログが・・・とまでは言わないが、極東ブログの中の人の情報がアップデートされていないので指摘したい。リアリストを標榜する人は与党への非難を否定的に捉えがちだが、情報収集を怠るのはリアリストとは言えない。 「森友問題の現状についてブロガーのいち見解」と言うエントリーで、 すでに会計検査院から指摘されている通り、森友学園の国有地売却の値引き理由は不明確。ただし、野田中央公園でも大幅な値引きがなされているので、同じような手順が取られたように推測される。その意味で、財務省に大きな失態があったとは思えない。 と言う部分があるのだが、色々とデタラメが書いてある。 まず、会計検査院が出した「学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査の結果について」を読んでいないことが良く分かる。文までよく

    極東ブログの政治バイアス:野田中央公園の補助金・交付金への誤認識
    arajin
    arajin 2018/03/16
    “森友学園の国有地売却の値引き理由は明確(地下埋設物の撤去・処分費用,軟弱地盤対策費)かつ妥当だが、算定が大幅におかしい”
  • 米国の黒人女性の結婚相手が深刻に不足

    2023 (63) ► 11月 (1) ► 10月 (4) ► 9月 (10) ► 8月 (6) ► 7月 (6) ► 6月 (8) ► 5月 (5) ► 4月 (2) ► 3月 (6) ► 2月 (9) ► 1月 (6) ► 2022 (88) ► 12月 (3) ► 11月 (3) ► 10月 (7) ► 9月 (5) ► 8月 (9) ► 7月 (8) ► 6月 (9) ► 5月 (8) ► 4月 (8) ► 3月 (10) ► 2月 (11) ► 1月 (7) ► 2021 (64) ► 12月 (5) ► 11月 (6) ► 10月 (9) ► 9月 (4) ► 8月 (7) ► 7月 (10) ► 6月 (2) ► 5月 (3) ► 4月 (3) ► 3月 (6) ► 2月 (5) ► 1月 (4) ► 2020 (117) ► 12月 (4) ► 11月 (8) ► 10

    米国の黒人女性の結婚相手が深刻に不足
    arajin
    arajin 2018/01/28
    “アメリカの黒人の男性は、21%が中卒、17%がが失業中、25歳から34歳の結婚適齢期の8%が刑務所に収監されており、結婚に相応しいのは54%に留まるそうだ。”