日本の植民地だった朝鮮半島で1919年、最大の独立運動がおきた。韓国では毎年3月1日に記念式典が開かれる。 今年は文在寅(ムンジェイン)大統領にとって初めての式典だったが、日本との歴史問題で批判的な立場を鮮明に打ち出した。 歴代の大統領は南北関係などにも触れてきたが、文氏はほぼ独立運動や現在の日韓問題だけに焦点をあてた。会場は前年まで使った施設から、植民地下で独立運動家らが投獄された刑務所跡に変えた。 演説の言葉遣いも、強いトーンが目立った。竹島(韓国名・独島)問題を「朝鮮半島侵奪」の歴史として取り上げたほか、慰安婦問題では「加害者である日本政府が『終わった』と言ってはいけない」と語った。 日本がかつて国策を誤り、アジアに多大な苦痛を与えたのは歴史の事実である。韓国が苦難と克服の歩みを振り返り、現在の国民統合に役立てようとするのは、無理からぬ面がある。 ただ、近年の日韓関係が歴史問題をめぐ