先日筆者は、「中国軍警車両の違法記録」と題する記事が掲載されたブログを読んだ。このブログの筆者は、町で見かけた軍警車両の交通違反現場の写真を毎日撮り、自分のブログに載せている。 まさに「小さいこと」の積み重ねであるが、このブロガーはうまずたゆまず掲載を続けている。筆者はそこにブログの力を感じるとともに、個人のブログが少しずつ中国を変えていく可能性すら秘めているのではないかと思えてきた。 このようなことは、テレビや新聞などの伝統的メディアだけが大手を振って報道していた時代では考えられないことだ。本稿では、インターネットが中国社会の民主化にどう関わるかという点に焦点をしぼり、若干の考察を加えてみたい。 ネットメディアの勃興で中国言論に変化 周知のように、中国の憲法においても国民の出版と言論の自由が明確に規定されている。しかし現実には、テレビや新聞、ラジオなどの伝統的メディアは厳格に政府にコント