部下の尿の色で仕事量をチェックする独裁者!? 鴻海会長の「本音」とシャープの明るくない未来 カリスマ経営者の「語録」を読む 取材・文/安田峰俊 鴻海の社内で十年以上前から伝わる、郭台銘(テリー・ゴウ)会長にまつわる有名な噂話を紹介しよう。 「郭会長とトイレで鉢合わせしてはならない。彼は部下の尿の色を観察し、色が薄いと『まだ働き足りない』と言って仕事を増やしてくるからだ」―― 鴻海に買収されたシャープは、一体どうなってしまうのか。雇用は守られるのか。いずれ見捨てられるのではないか……。郭台銘会長が買収の発表会見で多くを語らなかったため、様々な見立てや憶測が飛び交っている。 だが、将来の判断材料がないわけではない。郭台銘会長の過去の発言を丹念に振り返り検証することで、彼の狙いや考えの一端が見えてくるはずだ。中国事情に詳しいノンフィクションライターで、郭台銘会長の会見に出席した安田峰俊氏のレポー
