あのシークエンスには、ゴルゴ13という人物の「哲学」とでも言う べきものが反映されています。 マリオが、単なるダイヤ屑で依頼してきただけの依頼人だったなら、 ゴルゴも袖にしていたでしょう。実際に、お尋ねの通り最初はそう しました。が、彼が必死に依頼しながらゴルゴの眼前で事切れた のを見て、ゴルゴはこの依頼人が自分の余命が幾ばくも無いと知りつつ、 命を掛けて依頼してきたのだと知ったのです。それに接したゴルゴは、 初めてこの依頼を受ける決意をした。 つまりゴルゴは、単に金銭とかどうとかいうだけでは無く、依頼人の 覚悟の程、依頼人の矜持といったモノを見極めて動くのです。実際、 「はした金」で依頼を受けたり、ゴルゴの納得しない条件でも依頼を 受けたりといったエピソードが数多くありますが、それらはみな依頼主 の死を伴うものが多い。 それは単純な感傷・感情と言うものでは無いのですが、さりとていつも の