自民党の杉田水脈衆院議員は29日までに、性的少数者、女性、特定民族への差別だと批判された過去の発言を巡り「差別がなくなっては困る人たちと戦ってきた。私は差別をしていない」と言明した。ユーチューブへの投稿動画で語った。自身の言動を正当化したとも受け取れる発言。さらなる差別助長を招く恐れがある。 杉田氏は「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装の…
自民党の杉田水脈衆院議員は29日までに、性的少数者、女性、特定民族への差別だと批判された過去の発言を巡り「差別がなくなっては困る人たちと戦ってきた。私は差別をしていない」と言明した。ユーチューブへの投稿動画で語った。自身の言動を正当化したとも受け取れる発言。さらなる差別助長を招く恐れがある。 杉田氏は「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装の…
小泉悠・東大先端科学技術研究センター専任講師=東京都目黒区の同センター、2023年4月6日、田中成之撮影 「せめて38ノースぐらいのことは(日本でも)できるようになろうぜ」。「38(サーティーエイト)ノース」とは、米シンクタンクが運営するサイト。北朝鮮の核・ミサイル情報の分析が、日本国内の報道でよく引用されている。2022年秋の東京都内の出版イベントでこんな発言をしたのは、ウクライナ侵攻の解説で注目されているロシア軍事戦略の専門家、小泉悠さんだ。米宇宙技術企業のマクサー・テクノロジーズが提供する衛星画像サービスを22年4月にポケットマネーで契約した理由を問われた時の答えだった。どんな意気込みが込められていたのか。小泉さんが専任講師を務める東大先端科学技術研究センターの研究室を訪ねてみた。【田中成之】 「僕はこれを毎日みてます」 「これなんだ? 『射撃』?」。畳1枚ほどもあるモニターの前で、
電通ライブの本社に家宅捜索に入る係官ら=東京都千代田区で2022年11月29日午前9時57分、和田大典撮影 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が発注したテスト大会の計画立案業務を巡る談合事件で、組織委が、入札参加者の公募を始める9日前に落札業者を決定していた疑いがあることが関係者への取材で判明した。組織委側が、広告最大手「電通」が作成した入札参加予定者の「一覧表」にあった複数の企業名を青色で塗り、「青色部分は合意」などと電通にメールで伝えていた。青色の企業は実際に入札に参加し、ほぼ希望通り落札したという。 組織委側はメールに一覧表のデータを添付しており、東京地検特捜部はこのデータを押収。特捜部は一覧表が各社で共有され、青色の部分以外の企業は入札しないなど、各社の行動を拘束する資料になったとみている模様だ。
路上寝込みが原因の交通死亡事故が東京都内で急増している。今年の死者数は11月末現在で13人に上り、昨年1年間の死者数(7人)の約2倍に達している。新型コロナウイルス禍で自粛が続いていた忘年会など大勢での飲酒の場も今年は解禁ムードとなり、今後さらに増加が懸念される。警視庁の担当者は「悲しい事故が起きないよう、飲み過ぎず安全に帰宅してほしい」と呼びかけている。 警視庁交通総務課によると、死者13人のうち10人は飲酒後の路上寝込みだった。11月だけで男女3人が死亡しており、3人はいずれも飲酒後に車道に座り込んだり、寝転んだりしていてはねられたという。
同性婚を認めていない現行制度は憲法に反するとして、同性同士の婚姻届が受理されなかった男女9人が国に1人当たり100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は30日、現行制度は個人の尊厳に立脚した法制度の制定を求める憲法24条2項に違反する状態と判断した。池原桃子裁判長は「どのような制度にするかは立法府に裁量がある」とし、直ちに違憲とはしなかった。国会が立法措置を怠ったとする原告側の主張も退け、賠償請求は棄却した。原告側は控訴する方針。 全国5地裁に起こされた同種訴訟で3件目の地裁判決。2021年3月の札幌地裁判決は「違憲」、今年6月の大阪地裁判決は「合憲」としており、「違憲状態」とする司法判断は初めて。
東京五輪組織委員会大会運営局の元次長の自宅に家宅捜索に入る東京地検特捜部の係官ら=川崎市で2022年11月25日午前11時15分、島袋太輔撮影 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が発注したテスト大会の計画立案業務を巡る談合事件で、26件実施された入札のほとんどで、参加企業が1社だけの「1社応札」だったことが関係者への取材で判明した。入札は技術力や価格を点数化して総合評価する方式だったが、1社応札の場合は評価の比較も生じず、その社が受注していたという。不正な受注調整が行われた結果、入札が形骸化していた可能性がある。 また、組織委大会運営局は入札前に、各企業が希望する競技会場を反映した「割り振り表」を作成していたが、各社への意向確認や表の作成に大手広告会社「電通」から出向した職員が関与した疑いがあることも判明した。この職員は上司に当たる同局元次長や電通と情報を共有していたといい、東京地
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)創始者の文鮮明(ムン・ソンミョン)氏が1989(平成元)年に韓国で行った説教で、自民党の安倍晋太郎元外相が当時会長を務めていた保守系派閥「安倍派」(清和会)を中心に国会議員との関係強化を図るよう信者に語っていた。約53年分にわたり韓国語で記された文氏の発言録615巻の中から毎日新聞が当該部分の記述を翻訳・確認し、判明した。【田中裕之、ソウル坂口裕彦、渋江千春】 韓国語版のみ全615巻の発言録 晋太郎氏の息子で、今年7月の銃撃事件で凶弾に倒れた安倍晋三元首相がいつ、どのように教団と深い関わりを持ったかについてはなお謎が多い。晋太郎氏の義父・岸信介元首相と文氏との間で築かれた関係が源流にあるとされるが、その後を継いだ晋太郎氏を足掛かりにした教団の政界工作が、教祖の肝いりで模索されていた可能性が浮かんだ。 発言録は、韓国の教団系出版社「成和出版社(現・天苑社)」
亡くなった侑夏さんの写真を手に、記者会見した母親=福岡市中央区の福岡県弁護士会館で2022年11月4日午前10時32分、平塚雄太撮影(画像の一部を加工しています) 2020年8月に私立博多高(福岡市東区)の1年生だった侑夏(ゆうな)さん(当時15歳、名字は非公表)が自殺したのは、部活動での不適切な指導が原因だったとして学校側が責任を認め、遺族に謝罪したことが判明した。侑夏さんの母親(41)と遺族の代理人弁護士が4日、同市内で記者会見を開き、裁判を経ずに学校側と和解したと明らかにした。 和解は10月25日付。遺族の代理人を務めた迫田登紀子弁護士(福岡県弁護士会)によると、いじめや校内での事故は学校が情報を出さなかったり、責任を認めなかったりすることが多く、学校側が自らの非を全面的に受け入れるのは非常に珍しいという。
2017年6月、神奈川県の東名高速で起きたあおり運転による死亡事故を巡り、容疑者の家族であるかのようなデマをインターネット上に書き込まれて損害を受けたとして、北九州市の会社社長が書き込みをした5人に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が27日、福岡高裁であった。岩坪朗彦裁判長(久留島群一裁判長代読)は5人に計176万円を支払うよう命じた1審の福岡地裁判決(22年3月)を変更し、賠償額を計231万円に増やす判決を言い渡した。 5人は書き込みをしたことは認めていたが、故意に会社や社長の社会的評価を下げる意図はなかったと主張。1審判決は主張の一部を認めたが、2審の岩坪裁判長は「(書き込みによって)社会的評価を低下させると認識し、容認した」として故意を認定した。
衆院の政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会で立憲民主党の源馬謙太郎氏の質問に答える杉田水脈総務政務官=国会内で2022年10月26日午前10時15分、竹内幹撮影 自民党の杉田水脈総務政務官は26日、総務省が取り組んでいるネット交流サービス(SNS)の誹謗(ひぼう)中傷対策キャンペーン「#NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃSNSじゃない!)」について「存じ上げません」と述べた。衆院政治倫理・公選法改正特別委員会(倫選特)で立憲民主党の源馬謙太郎氏の質問に答えた。 杉田氏に対しては、ジャーナリストの伊藤詩織さんが、杉田氏が自身を中傷するツイッターの投稿に「いいね」を押し名誉感情を侵害されたとして損害賠償を求めている。20日の控訴審では、東京高裁が「限度を超えた侮辱行為で不法行為に当たる」として杉田氏に55万円の賠償を命じた。
杉田水脈衆院議員への訴訟で逆転勝訴の判決言い渡し後、記者の囲み取材に心境を語る伊藤詩織さん(左から2人目)=東京都千代田区で2022年10月20日午後1時52分、幾島健太郎撮影 ツイッターで自身を中傷する投稿に「いいね」を押されて名誉感情を侵害されたとして、ジャーナリストの伊藤詩織さんが、自民党の杉田水脈(みお)衆院議員に220万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(石井浩裁判長)は20日、賠償責任を否定した1審・東京地裁判決(今年3月)を変更し、杉田議員に55万円の賠償を命じた。 1審判決によると、元TBS記者の男性から2015年4月に性暴力を受けたと訴える伊藤さんに対し、「枕営業の失敗」などとする複数の匿名の投稿がされた。杉田議員は18年6~7月、こうした投稿25件に「いいね」を押した。
膨大な個人データを収益化する巨大IT企業のビジネスモデルを、自著で「監視資本主義」と名付けたショシャナ・ズボフ米ハーバード大経営大学院名誉教授が、毎日新聞のオンライン取材に応じた。ズボフ氏はインターネット空間を支配するこのビジネスモデルは「民主主義にとって破滅的なもの」で、法律によるルール作りが不可欠だと主張。欧州連合(EU)が進める巨大IT規制を、変革に向けた「新たな局面」をもたらす動きだとして高く評価した。 現在のネット空間では、人々がパソコンやスマートフォンで情報を検索したり、ネット交流サービス(SNS)などを使ったりするたびに、利用履歴など個々人に関するデータが収集される仕組みになっている。ズボフ氏はグーグルやフェイスブック(FB、現メタ)などの巨大ITがこれらのデータを事実上無断で利用し、人々がどんな行動をとるのか予測して広告主などに販売する、新たな市場を構築したと指摘する。そし
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