限りある食料やエネルギーの供給量とのバランス、自然災害、将来への絶望……その時代のさまざまな要因と絡み合いながら、日本の人口は縄文時代から現代に続く約1万年の歴史のなかで、増減しながら適切な人口を探ってきた。 「日本は、たしかに海外の諸国と比べて、農業に適した土地が少ないというデメリットがあるかもしれない。でも江戸時代は鎖国したまま、3200万人もの人口を自給自足とリサイクルで養うことができた。しかも現代は、食料自給率が40%を切りつつも、海外からふんだんに食料を輸入できるようになっています」 そんな時代の人口変動のキーとなるのは、やはり将来へ悲観楽観という心理的な要因だ。 「食料やエネルギーが、どんなにたくさんあっても、産まない人は産まない。物質的な要因より、将来への心理的な悲観楽観が大きく作用しているからです。つまり国民の心持ちひとつで、現在の少子化も食い止められる可能性はあると思って