深刻な状況が続く東京電力福島第1原発事故。1−3号機で「溶融貫通(メルトスルー)」が起きた可能性があるなど状況が明らかになる一方、漏れ出たとされる放射能の積算量は増え続けている。目に見えない危機から大切な人を守るためには何を、どこまで気をつければいいのか。(文・澤田大典 写真・高橋朋彦) −−今、一番気にすべきことは何でしょう 「原発の半径20キロ圏内はおおむね空間線量は高いが、作業員以外はほとんど退避しています。気になるのは、福島市や郡山市の線量が6月になってやや上がっている点。また、大量の汚染水の行方も深刻です」 −−海に流れ地下水に浸透したのでは? 「炉心の冷却水の総量と、タービン建屋やトレンチなどにある目に見えている水の量に差がある。海水をモニタリングしたり、地下水脈への拡散の状況を調べ、地下ダムを造る必要性があるかなどを検討すべきです」 −−放射性物質。最も怖いのは?