文化人類学者にしてマンガ家である筆者が、自ら「世界観エンタメ」と名づけた作品を取り上げ、それらの作品の面白さを分析する。筆者の専門である文化人類学の話が織りまぜられて進んでいく。 内容と直接関係ない話だが、この作者のマンガ『ナチュン』は読んでいて、現役の文化人類学者ということも知っていたのだけど、名大理学部出身だとは知らなかった。名大理学部というと、マンガ評論家の伊藤剛もそこの出身で、さらに聞いた話によると、アニメ評論家の藤津亮太もやはり名大理学部だという。その上、年齢も近い。 関係ないついでにもう一つ、泰作って「たいさく」じゃなくて「だいさく」なのも知らなかった。 世界観エンタメとは何か、というと、人間ドラマよりも世界観を重視した作品で、その世界に住みたくなるような感覚をもたらし、何度も繰り返し視聴するリピーターを生み、それによってヒットしているような作品のことである。 かなり多種多様な