【日本経済新聞 経済教室 2010年9月17日】 文部科学省の中央教育審議会初等中等教育分科会が7月12日に公表した報告書案では,小中学校の1クラスあたりの人数の上限を引き下げること,それに伴い教職員の数を増やすことなどが提言されている。この少人数化が仮に実現すれば,1980年度に1クラス45人から40人へ引き下げて以来およそ30年ぶりのことになる。 クラスの少人数化は,一見すると児童生徒にとって良いことのように思える。例えば教師の目が届きやすくなるし児童生徒の発言の機会も増える等のメリットがあるからだ。このような混雑の緩和による正の効果は「クラスサイズ効果」とよばれている。しかし教科学習の達成度に関する実証研究では,予想に反してクラスサイズ効果が有意には観察されないか,観察されたとしても非常に小さいという結果が多く得られている。このことは「クラスサイズパズル」と呼ばれ,これまで経済学者の
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