陸上自衛隊での性被害を訴えた元自衛官五ノ井里奈さん(23)が、国や懲戒免職となった元隊員五人に損害賠償を求めた訴訟で、元隊員のうち四人が性的暴行への関与を否定していることを原告側が明らかにした。五ノ井さんは昨年、元隊員らから謝罪を受けており、十四日、横浜地裁での第一回口頭弁論後の記者会見で「あの謝罪は何だったのか」と静かに怒りを語った。(森田真奈子) この日の弁論で、元隊員側は出廷しなかった。原告側の弁護士によると、元隊員のうち四人は答弁書で、押し倒したことのみを認めるなどし、性的暴行への関与は否定した。 防衛省は昨年十二月、元隊員らに対する調査の結果、性的暴行があったと認め、五人を懲戒免職とした。五ノ井さんは同十月、元隊員らから直接謝罪も受けており、会見で「(調査の)当時は認めていたことも民事訴訟では認めず、矛盾が生じている」と憤り、「反省してほしい一心」と繰り返した。