証券取引所といえば、2005年から2006年にかけ、システムが取引件数の急増に耐えきれずに取引停止状態へ陥り、大きな社会問題となったことは記憶に新しい。証券取引所のシステムは重要な社会インフラだけに、当時の証券取引所各社への批判は厳しいものがあった。 そうした逆風が吹き荒れた2006年2月、大阪証券取引所(以下、大証)は、国内の証券取引所では初のオープン系システムで構築した売買システムの稼働を始めた。慎重を期して4年がかりで進めてきたプロジェクトではあったが、国内初の試みが無事成功するかどうか、関係者にとって相当なプレッシャーだったことは想像に難くない。ただ、それは幸いにも杞憂に終わった。新システムは大幅な性能改善と安定稼働を成し遂げ、今日に至っているのだ。 二重のリスクを覚悟する 言わずと知れた大証は、国内で2番目に大きな証券取引所を運営する企業だ(同社自身も公開企業)。市場第一部、市場
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