米国のIT企業の集積地であるシリコンバレーで、「マフィア」が存在感を増している。マフィアと言っても犯罪組織ではなく、成功した新興企業の創業者や社員が、稼いだ資金を新たな事業や次の起業家のビジネスに投資する、ヒトとお金のネットワークのこと。「起業の聖地」は、強いコネ社会の側面もあわせ持つ。 代表格は「ペイパル・マフィア」 こうした起業家の人脈を米経済誌が「マフィア」と名づけたことから広まった呼び名とされ、代表格は「ペイパル・マフィア」だ。1998年創業のネット決済サービス大手、ペイパルの出身者がシリコンバレーのあちこちに根をはっている。30~40代の彼らが経営に関与したり、投資したりするベンチャー企業のなかには、創業から10年もたたず、企業価値が100億ドル(約1兆2千億円)を超えたところがある。 ウーバーテクノロジーズは、自家用車のドライバーが空いた時間にタクシーのように客を運ぶサービスを