アルゼンチン人であるメッシにとって、勝利だけがすべてだった。(写真:USA TODAY Sports/アフロ) 2006年1月、筆者はリオネル・メッシにインタビューをしている。メッシは当時18歳ながら、所属するFCバルセロナで才能を煌めかせつつあった。ロナウジーニョらスター選手に可愛がられ、前年にトップデビューを果たすと、リーグ優勝も経験している。そしてバルサのチャンピオンズリーグ制覇に向け、意気軒昂に勝ち上がり、日々変身を遂げている最中だった。 そのメッシへの質問で、少し意外な返答があった。 ―今までのキャリアで、一番嬉しかった瞬間は? 「アルゼンチンUー20代表で優勝したときだね。具体的に言えば、(2005年に)オランダで行われたワールドユース(現在のUー20W杯)、ナイジェリアを相手にPKを決めて勝った瞬間さ。アルゼンチン人にとって、水色のユニフォームで勝つというのは超が付くほど特別