英語の大学入試「改革」が混乱を呼んでいる。2020年度から、GTEC、英検、ケンブリッジ英検といった民間の業者テストが「大学入試共通テスト」とともに新しく導入される予定だったが、試験の実施が2、3カ月後に迫った11月1日に急遽、導入が見送られた。文部科学省は今後、民間試験を活用することの是非も含め、2024年度を目処に新たな試験を開始することを検討していると報じられている。 民間試験の活用については、導入の見送り前から数多くの課題が指摘されてきた。主なものでも以下の通りだ――試験機会の不平等(受検料が高額。会場も都市部に偏っている)。試験業者が自ら問題集作成や対策講座を行う「利益相反」(金をかけ「対策」すれば点数はあがるが、必ずしも英語力は身につかない)。診断を目的としたテストを選抜に使うことの弊害(テスト問題は頻繁にリサイクル。その流通を食い止めるのはほぼ不可能)。スピーキングテストの採