森 永輔 日経ビジネス副編集長 早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。 この著者の記事を見る
![脳とナショナリズムと戦争の意外な関係:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7868067ede63f341d8a28b53170c90db5cd4475d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fatcl%2Finterview%2F15%2F238739%2F080300029%2Ffb01.jpg)
朝。家の近くの公園を通りかかった際に、ふとあることに思い至った。「そういえば最近、ゲートボールをしている高齢者の姿を見かけないぞ」。 1990年ごろ、小学生高学年だった記者は毎日のように近くの公園で草野球に興じていた。今は亡き、プロ野球チーム「近鉄バファローズ」のホームスタジアムが家から近かった関係で、駅や路上でよく野球選手の姿を見かけた。ラルフ・ブライアント、阿波野秀幸、吉井理人…。プロ野球が身近な存在で、周りの子供は皆、野球に熱中した。ちなみに、メジャーリーガーのダルビッシュ有はすぐ近くに住んでいた。 学校が終わった後の平日夕方。家に走って帰り、ランドセルを投げ出して、集合場所の公園に向かえば、三々五々にすぐに20人近くが集まり、そのまま試合を始められた。 問題なのは日曜日と、たまに休みになる土曜日の朝だった。公園に近づくと、決まって「コン」という甲高い音が耳に届き、「ああ、また先を越
「島津さん、(不動産担当なのに)知らないって、モグリですよ…」 7月下旬。筆者は不動産調査会社の東京カンテイを訪れていた。本題は都心部のマンション価格だったが、脱線してバブル期の不動産価格について、同社の上席主任研究員である井出武氏に質問した。ちょうど日経ビジネス8月3日号でバブル入社組をテーマとした特集を担当していて、頭の中がバブル期のことで一杯だったからだ。 井出氏:バブルのころは、都内では戸建てもマンションも軒並み1億円超えですよ。都心部では18平米のワンルームで5000万円超えという物件もありました。一般的な給与水準では、ファミリータイプのマンションなんて、とてもじゃないが買えなかった時代です。 筆者:(データを見ながら)去年ごろから住宅価格が値上がりしていますが、バブル期の価格は比べ物になりませんね…。戸建てを買いたい人はどこで買っていたんですか? 井出氏:山梨ですよ山梨。新宿ま
2016年1月にスタートする「マイナンバー」制度。国民一人ひとりに番号を割り振り、税や社会保障などの分野で活用する制度で、国内のあらゆる企業が対応を迫られる。導入までほぼ1年に迫ったが、準備は遅々として進んでいない。 マイナンバーの罰則は厳しい。取り扱いをおろそかにすると従業員が逮捕されたり、企業が罰金刑に処せられたりする恐れもある。さらに2016年からは、アルバイトを雇う際にもマイナンバーが必須となる。日経ビジネスオンラインで3回にわたり「マイナンバー制度で企業はどう変わる」を連載した、野村総合研究所の梅屋真一郎氏に話を聞いた。 (聞き手は小笠原啓) 2016年1月から「マイナンバー制度」(行政手続番号法)がスタートします。導入すると何が変わるのか、私も含め、理解していない人が多いのではないでしょうか。 梅屋:それではまずいんですよ。状況は極めて切迫しています。マイナンバーはあらゆる企業
グローバル化で企業の競争力が高まる中、企業は、生産性の向上、人件費の抑制、組織の効率化、選択と集中など、生き残りをかけて取り組んでいる。 「集合体をつくって生活する生き物たちは、組織の効率を最大にするような進化をしていない」と語る長谷川氏。集団の利益を高めるために必要なことは? 生き残るために企業はどうあるべきか?アリの生態から学ぶことがあるのではないか? 「人より“数字”が偉くなった社会」の問題点を、度々指摘してきた私、河合薫が、働かないアリの意義を伺った前回に続き、今回は、組織の効率化と生産性について、長谷川氏にお話を伺います。 (1回目はこちら) 河合:アリの社会って、働かないアリに、「お前、いつも働いてないじゃないか!」と攻撃するようなアリはいるんですかね。 長谷川:そういうことはないです。働きアリって基本的には全員女王アリの娘なので、女王が子孫をたくさん残してくれればいいわけです
吉田泰則 ライフブランディング代表取締役 伊勢丹でメンズ館の立ち上げに参画し、伊勢丹メンズ館のバイヤーを務める。現在は独立し、男性専門ファッションコーディネートサービスを提供するライフブランディング代表。 この著者の記事を見る
榎本:日本は昔から、海外のものを取り入れることを推奨する人が多いですね。ただそれが基で問題やトラブルが起きてもあまり疑問視しません。 昨今、国の教育施策や企業の教育研修に携わる人がディベートをやたらと推奨している。『ディベートが苦手、だから日本人はすごい』は特にそういう人たちに、日本人のコミュニケーションの本質について考えてほしいと思って書いたものです。 日本人が自己主張が苦手なのは、日本語の構造と文化風土に由来するもので、そこにこそ日本的コミュニケーションの長所があると主張されています。 榎本:日本語と英語は言語構造が全く違います。英語はまず主語のIとかYouが最初に来る。一方、日本語は人称代名詞がTPOによって様々に変化する上、多くの場合で主語が省略されてしまいます。こうした言語構造の違いがコミュニケーションの違いを生み、自分と相手の関係性の違いを生んでいるのです。心が全く違うわけです
「他人を支配すること」と「他人を愛すること」は、実は重なっていて区別がつきにくい。だから、常に自分のしていることを「所有や支配になってはいないだろうか」と振り返る、絶えざる意識が必要になる。原宿カウンセリングセンター所長の信田さよ子さんはそう話す。 だが、他人を支配することを愛や親密さと取り違えた人の考えを改めることはなかなか難しそうだ。人の心や行動を動かすにはどうすればよいのだろう。 信田さんは、「誉めること」がキーを握ると言う。たとえ誉める部分がまるでないような人に対しても、わずかな良い点を誉めることが、相手に考え方を変えさせる突破口になるという。さらに、カウンセリングでは相談者との間に「境界」を保つことが、よい関係を取りもつ秘訣だとも話す。仕事でのコミュニケーションでも活かせそうな話だが、その実はどうだろうか。引き続き信田さんにうかがった。 --前編では、愛の名のもとに、支配と暴力が
この打ち上げで、同社は史上初の試みを成功させた。ファルコン9第1段には着陸脚が装備されており、将来の第1段再利用に向けた降下・着水実験が行われたのだ。分離後、第1段は姿勢を制御し、エンジンを再着火して噴射で速度を落としつつ、着陸脚を展開。垂直の姿勢で海面への着水を試みた。【編注:同社の垂直離着陸実験の動画は次ページに掲載】 第1段着水実験の詳細を同社は正式には公表していない。しかし、同社のイーロン・マスクCEOは、Twitterに「実験は成功、着水時に機体は垂直で、着水後8秒まで搭載コンピューターはデータを送ってきた」と書き込んだ。 この打ち上げは、スペースX社と米航空宇宙局(NASA)との契約で実施された商業打ち上げだ。通常、商業打ち上げでは、今回のような技術開発実験を実施することはない。打ち上げ成功確率が下がる可能性があると、顧客が実験を忌避するからだ。 が、スペースXは、ファルコン9
エマニュエル・トッド氏 フランス国立人口統計学研究所(INED)の研究員。歴史人口学者、家族人類学者。1951年生まれ。祖父は作家のポール・ニザン。1976年に出版した処女作『最後の転落』でソ連崩壊を予言して衝撃を与える。2002年の『帝国以後』で米国の衰退を予言、世界25カ国語に翻訳されるベストセラーとなった。他の著書に『世界の多様性』、『新ヨーロッパ大全』、『経済幻想』、『デモクラシー以後』(以上、邦訳は藤原書店)など(写真:大槻純一、以下同) 歴史人口学という学問分野がある。個人の出生・結婚・死亡のデータを調べて社会の変化を分析する。1976年、『最後の転落』(La Chute finale)という著書がフランスで出版された。著者はエマニュエル・トッド氏。25歳の新進気鋭の歴史人口学者だった。 トッド氏はソビエト連邦の乳児死亡率の高さに注目し、「ソビエト連邦は崩壊する」と大胆に予想し
「こ、これは……『艦これ』ですか?」 「えっ? あ、はい! そうです。あの、すみません。あなたは日本人…ですか?」 「ええ、そうですけれど…。これは自分で描いたものですか?」 「はい。自分で描きました。感激です…日本人…。恥ずかしいですが、よかったらこれ(イラスト集とクリアファイルを差し出して)、記念に持って帰ってください!」 中国・南京でアニメやゲームの同人イベントが開かれると聞き、足を運んでみた。 会場に足を踏み入れてみると、100以上のブースが置かれ、10代後半から20代半ばと思われる中国の若者たちが自分で書いたイラスト集やクリアファイル、缶バッジ、メモ帳、ノート、ボールペン、キーホルダー、紙袋などを販売していた。その中に上記の男子大学生(21歳)もいて、私に商品(会場でのお値段は60元=約1000円)をプレゼントしてくれた。 中国には日本のアニメを見て日本好きになった若者が大勢いる
出張先から携帯やスマホで上司に連絡を入れる。常に自分の居場所を上司に知らせるのはビジネスパーソンの基本。ごくありふれた光景に映るだろうが、こうした連絡を全社的に禁止しているのが岐阜県にある未来工業だ。 「小学生ではあるまいに、なぜ、いちいち連絡をしてくるのか。通話料も無駄だし、かけてくる社員の時間はもちろん、受ける事務員の時間も無駄」とばっさり切り捨てる。 それだけではない。数年前、同社では営業日報も廃止した。 山田雅裕社長は「『どこどこを訪問してカタログを置いてきた』といった報告を書かれてもなんの参考にもならない」と廃止した理由を語る。 多くの職場で「報・連・相シンドローム」が起きている 報告、連絡、相談のそれぞれ一文字目をつなげた「報・連・相(ほうれんそう)」。この“経営ワード”が世に広まるきっかけとなったのは1986年のこと。当時、山種証券の会長だった山崎富治氏が自身で実践した「ほう
広野 彩子 日本経済新聞社NAR編集部次長 朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。 この著者の記事を見る
小平 和良 日経ビジネス上海支局長 大学卒業後、通信社などでの勤務を経て2000年に日経BP社入社。自動車業界や金融業界を担当した後、2006年に日本経済新聞社消費産業部に出向。2009年に日経BP社に復帰。 この著者の記事を見る
野村浩子 ジャーナリスト・淑徳大学教授 日経ホーム出版社(現日経BP社)で「日経WOMAN」編集長、女性リーダー向け雑誌「日経EW」編集長などを歴任。日本経済新聞社・編集委員などを経て、2014年4月から、淑徳大学人文学部表現学科長・教授。財政制度等審議会委員など政府審議会委員も務める。 この著者の記事を見る
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