古の旅人は異国の旅に死を覚悟したが、現代は持病があっても旅を楽しめる。旅と病の歴史を遡りつつ、病気を防ぐ旅支度を提案する 担当編集者より 征服の野望に燃えた皇帝も、未知の世界に憧れた冒険者たちも、志半ばにして旅を終え、人生を終えたのは、抗し難い「病」によるものであった。現代、旅の主役は一般市民に取って代わられ、旅行中、不慮の病で倒れることも少なくなっただけでなく、持病が心配な高齢者も旅行を楽しむことができるようになった。旅行に関する医学、「旅行医学」が発達してきたためである。豊富な地図とともに、三千年に及ぶ人類と病の歴史を遡り、旅行を満喫するための「医学的旅支度」を考える。(IS)