2023年のFESTIVAL FRUEZINHOでの来日公演で多くのリスナーを驚かせたアマーロ・フレイタス。あの日のパフォーマンスはこれまでアマーロのアルバムを聴いてきた人にとってはそれなりに驚きのあるものだったのではなかろうか。いくつかの曲で彼はプリペアドピアノを駆使して、自身の音をループさせ、時にピアノを打楽器のように使いビートを組み立て、時にピアノから神秘的な響きを鳴らし、不思議な世界を作り上げていた。今思えばあれは2024年の新作『Y’Y』のサウンドを先出ししたようなパフォーマンスだったんだと思う。 『Y’Y』はこれまでのアマーロの作品とは一線を画す異色作だ。『Sangue Negro』ではブラジリアンジャズを、『Rasif』ではヴィジェイ・アイヤーやクレイグ・テイボーン的な現代のジャズピアノをブラジル北東部のアフロブラジレイロ由来のリズムと組み合わせた。そして、『Sankofa』
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