8月10日の内閣改造で、法務大臣に葉梨康弘衆議院議員(自民)が起用された。表現規制問題を追いかけている人たちにとって、葉梨議員といえば2009年6月、児童ポルノ法改正案の審議で、「自白は証拠の王者」などと発言したこと。今回も案の定、ネットではその時のことが蒸し返されて話題になっている。 当時、この問題を追いかけていた筆者は、彼のこうした委員会での発言をリアルタイムで、すぐ傍で聞いていた。今回、過去の資料をもとに、こうした発言が飛び出た背景を解説しておきたい。(取材・文:昼間たかし) 自白強要が問題視される中で…… 今回、改めて注目を集めているのは、2009年6月26日、児童ポルノ禁止法の改正案が議論された、衆議院法務委員会での発言だ。 このときの議論のポイントは、児童ポルノの「所持」を処罰するかどうかという問題だった。 民主党などの野党案は「所持」を処罰しない代わり、児童ポルノを「みだりに