自分が劇場で観たものはいったいなんだったのか。恐ろしく下手っぴいな映画を観た気もするし、恐ろしく愚直で正しい映画を観た気もする。よく憶えていない、というのが正直なところだけど、それを確認するためにもう一度観てみることにした。というわけでDVDを観る。 サイゾー、のインタビューは言い訳でも何でも無くて、たんなる(制作前から覚悟していたことの)ぶっちゃけである、というのはロフトプラスワンで脚本家の佐藤大さんが言っていたことを考えるに、正しいと思う。脚本家チームが「ここは台詞で言わないほうがいい」「台詞で説明すると嫌がられる」「アクションで示した方が」と書いてきたものをすべてダメ出しして、全部言わせるように、とこの監督は逐一(「台詞で語らない」方向であるパートが書かれるたびに)ダメ出ししていったそうだ。そのほうがスマートな(そして常識的な、美しい)ラインであることをがっつり承知で、しかしそういう