ブックマーク / cinemac.hatenablog.com (5)

  • ソーシャル・ネットワーク(デヴィッド・フィンチャー) - シャングリラ屯田兵

    あえて大胆に書くとセミ・ドキュメンタリー版『ナーズの復讐』という感じでしたね。そういう話ばかりを期待して見に行った訳ではもちろんなかったのだけど、「自信満々の温室育ちのジョックスどもに一泡吹かせてやろう」(その一方で仲間入りすることに憧れてたりというのがリアルで複雑なんだけど)、とか、「立身出世物語」(これは題かな)の側面がちらほら顔を見せるとやっぱり否応なく盛り上がるんですよね。そういえば、先生が難しい話をしている最中に主人公が退席しようとするのを見て「早速脱落者一号か」というと「その答えなら○○です」と即答しながら扉をバターンと閉める、というシーンなんかも「ベタな展開だけどやっぱり燃える!」場面でした。 冒頭、フェイスブックを立ち上げるきっかけとなる、彼女との諍いの場面。主人公の人となりがありありと浮かび上がってくるダイアローグが実に見事で、脚はもちろんのことフィンチャーの演出の的

    ソーシャル・ネットワーク(デヴィッド・フィンチャー) - シャングリラ屯田兵
    atoz
    atoz 2011/01/18
    「ナップスター創設者のショーン・パーカーで。メフィストフェレス的なうさんくささが堪りません」 キッズ・リターンにおけるモロ師岡のアッパー版という風情がありました。
  • イングロリアス・バスターズ(クエンティン・タランティーノ) - シャングリラ屯田兵

    最初、バスターズって「始末屋」の方だと思っていたのだけど、「you bastard!」の方だったんですね。それはさておき、この映画の概要を知ったとき連想したのはアルドリッチの『特攻大作戦』でした。「ならず者部隊が戦局の趨勢を左右する一か八かの作戦にチャレンジする」というストーリーの枠組のみならず、どうやら連合国軍とナチスの立場を相対化するような視点が導入されているらしいという点で。(内容に少し触れます。) 実は結構前に『特攻大作戦』は観ていたのですが、どうにも自分の中で消化できないところがあって、感想を書けないまま今に至っていたのでした。この映画は2部構成で、前半は「特赦を条件に、生きて帰ることの難しいミッションへ凶悪犯罪を犯した兵士から編成される部隊が募られる。正規軍からはバカにされていたが、頼もしく有能な指導者であるライスマン少佐に鍛え上げられ、彼らは正規軍との模擬戦を見事勝利する」と

    イングロリアス・バスターズ(クエンティン・タランティーノ) - シャングリラ屯田兵
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    atoz 2009/11/23
    『イングロリアス・バスターズ』について。
  • サマーウォーズ(細田守) - シャングリラ屯田兵

    僕は『ノルウェイの森』が『蛍』の壮大な蛇足と感じている人間なので、そういう者の意見として読んでください。 予告やあらすじから『僕らのウォーゲーム!』のリメイク的な話なんだろなと想像してたけど、「的」じゃなくてリメイクそのものだったのがまずびっくり(話の構造が一緒)。尺の伸びた部分は「青春夏休みもの」の部分になっている訳だけど、それが「ウォーゲーム」にあったストレートなストーリーテリングの気持ちよさを間延びさせていたような。(もちろん『時をかける少女』的な側面に期待してるお客さんは、そここそを観に来ているのだと思うけど・・・。)おばあちゃんが政財界の大物に働きかけるシーンは、不思議と物語をドライブさせてくれないし、キーパーソンである侘助の屈託が充分に描かれていないから、「泣かせ」も「共闘の興奮」も不完全燃焼な印象でした。 文句ばかり書きましたが、そもそも細田作品の魅力はウェルメイドな結構から

    サマーウォーズ(細田守) - シャングリラ屯田兵
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    atoz 2009/08/02
    「尺の伸びた部分は「青春夏休みもの」の部分になっている訳だけど、それが「ウォーゲーム」にあったストレートなストーリーテリングの気持ちよさを間延びさせていたような」 あーオイラもそう思ってしまいました…
  • ブラック・サンデー(ジョン・フランケンハイマー) - シャングリラ屯田兵

    この映画を観るまで知らなかったのだけど、9.11の時に話題になっていたそうですね。なるほど予見的な感じがなくもないですが、飛行船の方が映えるという意味では(不謹慎で恐縮ですが)、やはり乗り物の選択は映画的だったというか。 テロ組織「黒い9月」は次の目標として米国を狙った作戦を練っていた。イスラエル特殊部隊の急襲で事前にい止められたかに見えたその計画は、しかし生き残りである女性テロリスト、ダーリヤによって着実に進行していた。自らの逡巡が原因で彼女を逃してしまった部隊長カバコフは、非合法活動も辞さない覚悟でアメリカに渡る。領分を荒らされるのを見逃せないFBI。かくして三つ巴の戦いが始まった。しかしその「作戦」とは思いもよらない大胆なものだった・・・ 最近思うのが、9.11以前も、以降も、心ある映画監督(製作者)だったら割と政治的スタンスは公平感のあるものにするものなんだな、ということ。(一方

    ブラック・サンデー(ジョン・フランケンハイマー) - シャングリラ屯田兵
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    atoz 2009/03/03
    「「心ある」っていうのは良心ということだけじゃなくて、作品としてのドラマツルギーを真剣に考えたら、公平感のある描写の方が盛り上がるに決まってるのだから」 
  • フリッカー、あるいは映画の魔(セオドア・ローザック) - シャングリラ屯田兵

    <ネタに触れます>映画好き必読!と話題になってから幾年月(邦訳からもう10年以上なんですか!?そりゃ年も取るわけだ・・・)映画好きとしてようやく読みました。原題どおり只「フリッカー」とせずに「あるいは〜」と加えた邦訳タイトルが秀逸。これって結構大きなフックではなかろうか。 ただの映画ファンであった青年ジョナサンは、強固な理論と鋭いセンスを併せ持つ年上の女性クレアと出会ったことで、いつしか映画人生の糧そのものとする道を歩み始める。そんなある時、彼はカルト映画監督マックス・キャッスルの作品に出会う。若さゆえのクレアへの反抗心から、唾棄すべきと彼女が断じるキャッスル作品にのめり込むジョナサン。しかしそれは想像もしなかった深遠なる映画の魔の世界への入り口でもあった・・・ まず読者が観たくなるような作中映画の描写が冴えている。異なるメディアにおける作品の素晴らしさを説得力を持って描くというのはかな

    フリッカー、あるいは映画の魔(セオドア・ローザック) - シャングリラ屯田兵
    atoz
    atoz 2009/02/25
    オイラはこの小説あまり好きじゃない…。『ゴジラ』や『ゾンビ』を軽蔑し、ルノワールを称揚する。旧態然とした教養主義の産物。ウィリスの『リメイク』の方が軽妙で、かつ映画そのもへの踏み込みも深いと思う。
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