トランプ大統領も参加した今年のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)は、例年通りスイス・アルプスのリゾート地ダボスで1月22日から26日まで開催された。その本体会議の討議のための素材として活用されている報告書が「グローバルリスク報告書」だ。 今年で13版を迎えた「グローバルリスク報告書」は、経済界のみならず、各国政府や国際機関、企業などの長期戦略策定にも大きな影響を与えている。世界経済フォーラムのフラグシップ研究のひとつでもある「グローバルリスク報告書」の最新動向を数回にわたって解説したい。 危機の常態化が研究チームの共通認識 「グローバルリスク報告書2018」は、2028年を視野に入れた世界共通のリスクを把握する試みだ。グローバルリスクとは、今後10年間において、発生した場合には複数の国や産業に多大な悪影響を及ぼす可能性のある、不確実な事象または状況のことで、その研究は、ダボス会議に参