ネットが壊した"カルチャー"と"地理"の関係性 宇野(以下、宇):今回の座談会に関して、大きな問題意識は二つあります。一つは、鉄道依存の街としての東京の解体です。度々指摘していますが、僕はこの東京という街はとても「変な街」だと思う。たとえば僕は高田馬場に住んでいるのだけど、護国寺や目白台といった距離的には数キロと離れていない地区のことを体感的にはとても遠くに感じている。 感覚的には九段下や渋谷よりも遠くにあるくらいです。これはどういうことかというと、単純に鉄道のアクセスの問題ですね。電車の乗り換えの関係で、本来近い場所が遠い場所として機能しているし、その逆のケースも多い。これはおそらく、この街が極度の鉄道依存の街であるために起こっている現象です。 アニメ作家の押井守が、以前この現象を「距離と時間が置き換わっている」と表現していましたけど、この東京という街は単純に規模的に大きすぎるのと、所有