ニコニコ動画のお粗末:山形浩生(評論家兼業サラリーマン) 2009年9月23日(水)13:00 無根拠な抗議 インターネットの発達で、紙の本や雑誌は滅びる――そういわれてから何年たつだろう。そしてそろそろ事態が動きはじめたかと思われる節がある。まずグーグルが世界的にすさまじい量の書籍の電子化に乗り出した。コンテンツはこれでかなりの蓄積ができた。またリーダー機器の面では、日本では未発売だがアマゾン・コムがキンドルという電子ブックリーダーを発表し、一定の成功を収めている。流通も、アマゾンの電子ブック販売や、アップルのiTunesストアなどが手法をほぼ確立しつつある。 だがその過程で、電子メディア特有の問題も次第にあらわになりつつあるようだ。それを示す事件が最近立て続けに起きている。 アマゾン・コムのキンドル用に、オーウェル『1984年』『動物農場』の電子ブックを買った人は、6月に驚愕した
漫画雑誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)に連載中の「新ブラックジャックによろしく」を、作者の佐藤秀峰さんが自らのWebサイト「佐藤秀峰 on Web」で有料配信する。価格は新作30円、旧作10円で、開始時期は明かしていない。 Webサイト上のブログ「漫画制作日記」によると、漫画は独自のポイント(1ポイント=1円)で販売。ポイントは、クレジットカードか電子マネーで300円分から購入できる。 購入してから1年間は何度でも読める形式を検討しているという。「ブラックジャックによろしく」「海猿」など連載終了した作品も販売する予定だ。 佐藤さんはブログで、「僕の強みは、漫画家自身がそれを運営するという目新しさだけ」「先に300円を払ってまで、オンラインで僕の漫画を読みたいと思う人が何人いてくださるでしょうか?」と不安もつづっている。 関連記事 「出版社に頼らない漫画制作を」――「新ブラックジ
角川グループがYouTubeにアップロードされた自社グループ コンテンツから得た告収入が、昨年末に月間1000万円の大台を超えていることが明らかになった。 角川グループホールディングスは2008年1月にグーグルと提携を行い、動画共有サービスのYouTube上で協業することを明らかにした。その後、自社がアップロードするコンテンツだけでなく、ユーザーが自社のコンテンツを利用してアップロードした動画も積極的にビジネスに活用することを決めた。 角川グループはユーザーがアップロードした自社コンテンツの動画を自社の基準により、掲載許諾(公認バッジ付与)の是非、広告掲載、収益の配分などを決定する。角川グループが許諾をするコンテンツには、PV以外の短い本編やMADと呼ばれる二次創作が含まれていることなどが発表当時大きな話題を呼んだ。また、広告を付加することでビジネスでの収益化も目指した。 今回月間10
産経新聞の朝刊全紙をそのままのレイアウトで無料で読めるiPhone/iPod touchアプリが12月12日に公開され、大きな反響を呼んでいる。公開翌日には、「App Store」の無料アプリの人気ランキングでトップに。「予想以上の反響だ」――産経デジタル取締役の近藤哲司さんは驚きを隠さない。 産経グループは15年前から電子新聞サービスを手掛けてきたが、「MSN産経」「iza!」など無料のWeb媒体以外はどれも成功しなかった。「何回もやめた方がいいと言われたことがある」。赤字も累積していた。 それでも「挑戦しなければ」とiPhone版に取り組み、思い切って無料で出したものの、今回も「静かにユーザーに流されてしまうだろう」と思っていた。それだけに反響は予想外。失敗続きで「自信をなくしていた」が、手応えを感じている。 失敗続きの電子新聞 やめない理由とは 電子新聞サービスは試行錯誤の連続だった
「ネットの時代が来るとクリエイターもコンテンツホルダーもハッピーになれると言われた。だがそんな経験は1度もない」――ホリプロの堀義貴社長は、3月25日に開かれた、日本音楽著作権協会(JASRAC)が主催したシンポジウム「動画共有サイトに代表される新たな流通と著作権」でこう話した。 左から中央大学の安念潤司教授、ドワンゴの川上量生会長、慶応義塾大学の岸博幸教授、立教大学の砂川浩慶准教授、ホリプロの堀義貴社長、JASRACの菅原瑞夫常務理事 「コンテンツ立国」が叫ばれ、テレビのコンテンツのネット流通を推進すべきという圧力が、ネット業界や経済界からテレビコンテンツホルダーにかかっている。 だがコンテンツホルダーとしては「テレビ番組をネットに出してもメリットがない」というのが本音。堀社長は「ネット事業者は、作ったインフラにのせるものがないから、テレビ番組が欲しいだけだろう」と批判。「コンテンツが欲
日本ではサーチエンジンのキャッシュは違法であると言われている。内閣府知的財産戦略本部の人と話をしたところ、「サーチエンジンのキャッシュは諸外国ではフェアユースとして認められているが、日本では違法となりキャッシュは外国に置く必要がある」との認識を示していた。 しかし、ネットの掲示板やブログでは、グーグルやヤフーの日本法人が運営するサーチエンジンのキャッシュを海外に置いても日本の著作権法が適用されることが指摘されている。刑法施行法27条に「著作権法 ニ掲ケタル罪」は「刑法第三条ノ例ニ従フ」とあり、刑法3条には「この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する」とあるからだ。なお、グーグルやヤフーの日本法人も「日本国民」であり、それぞれgoogle.co.jp、yahoo.co.jpの管理責任者であるため、「日本国外において」であれグーグルやヤフーのキャッシュ行為には、日本の著
プリンスが、イギリスでCDを新聞の「オマケ」として配って話題になった。 The Mail紙の日曜版に、新作CDのThe Planet Earth、300万枚(!)を折込、その上イギリスでのPrinceのコンサートツアーに来た人には、全員無料配布。こちらも延べ40万人超。 New York Timesが、Princeの収益構造を分析しているが、非常に単純化すると、 「Princeはライブの稼ぎがメイン。印税収入はたいして重要ではない。CDは、ライブをプロモートするための広告ツールであり、別に違法コピーがどれほど出回ってもOK。むしろ、沢山出回って知名度が上がり、ライブに人が沢山来てもらったほうがよい。しかも、CDに頼らなければレコードレーベルに利益を搾り取られることもない」 というのがPrince側の論理では、という話。 Princeは非常にエキセントリックな外見、マスコミからのインタビュー
著作権に関して、少々騒がしくなってきている。現行の著作権法が制定されてから37年。iPodによって開花したモバイルでの音楽再生、ブログによる引用問題、デジタルであることがコピーを容易にした一方で、著作権問題を複雑化させた。 自分のブログを持っている人は、いま一度見直してもらいたいことがある。それは、あなたのブログが著作権侵害を起こしていないか、という点だ。著作権に関する動きが活発化している現在、ブログと著作権について考えてみたい。 その前段階としてまず、とある裁判の判決を見てみよう。 ストレージは著作権法違反か? 去る5月25日、東京地裁でとある裁判の判決が出された(関連記事)。これは、「オルタナブログ通信」でも取り上げたが、自分で購入したCDなどの楽曲をインターネット経由で業者のサーバに置き、それを自らのケータイに取り込んで再生するのが著作権侵害にあたるのかどうか。これが、この裁判での争
ヤフーが6月14日に開始した、「iTunes Store」と連携する音楽配信サービス「Music Download on iTunes」。これによって、ヤフーのコンテンツ「Yahoo! ミュージック」に来たユーザーがワンクリックでiTunes Storeの楽曲を購入できるようになった。 高ビットレート&DRMフリーの「iTunes Plus」やワーナーミュージック・ジャパンの楽曲配信開始など、活発な動きを見せるiTunes Storeがまた“動いた”理由をiTunes Storeの責任者、Eddy Cue(エディ・キュー、iTunes担当バイスプレジデント)氏に短い時間ながらも尋ねることができた。 業界のビックネームであるヤフーとiTunes Store(アップル)が連携することで浮かび上がる構図とはなんだろうか? Yahooという大きな窓口 ――まずは確認なのですが、ワールドワイドを含め
■ キンタマコレクターは約1000人もいるらしい 先週の白浜シンポジウムでは、夜の部で様々な情報を耳にした。驚愕の事実もいくつか聞いたが暗黙にオフレコ前提なのでここに書くということはできそうにない。 ネットエージェントの杉浦社長からも興味深い話を何点か聞いた。いわゆる「キンタマコレクター」(キンタマウイルスにより漏洩させられたファイルを収集し続けているWinnyノード)は、約1000人(ノード)との観測結果(2日間での観測)があるのだそうだ。 キンタマコレクターには2つのタイプがあり、ひとつは、普通のWinnyを使って流出ファイルを手当たりしだいに自動ダウンロードしている者――(A) で、もうひとつは、OpenWinnyやその他の自作と思われるダウンロード専用Winnyプロトコル互換プログラムによるダウンロードをしている者――(B) であるが、この約1000という数値はこれらの両方を含む。
2007/04/04 仏AFP通信とクリエイティヴ・リンクが共同で運営するコミュニティサイト「AFP BB News」は4月4日、ネットワークサービス提供会社11社と提携したと発表した。全世界からニュース記事を配信するAFP通信の写真付きニュースを、提携各社が提供するブログサービスにおいて、無料で利用できるようになる。 今回の提携によって、提携ブログサービスのユーザーは、AFP通信が165カ国から配信する各種ニュースを、写真付きで自分のブログページに引用することができるようになる。利用料金は無料。AFP通信が提供する写真は、シーフォーテクノロジーの電子透かし技術「acuagraphy」を採用して保護している。クリエイティヴ・リンクが巡回不正監視することで、写真の不正利用を防ぐ。また、Flashを利用しているため、写真の右クリック保存なども防げるとした。 クリエイティヴ・リンク 代表取締役会
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