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ブックマーク / honz.jp (72)

  • HONZ会員システムのリニューアルについて - HONZ

    HONZ会員システムをリニューアルしました。 これまで通りメールマガジンをお届けさせていただくほか、以下のサービスがご利用いただけるようになります。この機会にぜひご登録いただければ幸いです。 また、既にHONZ会員登録になられている方も(2014年3月26日以前)、メールマガジンはこれまで通り配信されますが、その他のサービスをご利用される場合にパスワード設定などが必要となります。大変お手数ですが、以下のリンク先より再登録(情報の更新)をお願いいたします。 今後とも、HONZをよろしくお願いいたします。

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  • 『寄生虫なき病』 - 黒の過剰か、白の不足か - HONZ

    花粉症、喘息、アレルギー、自己免疫疾患、現代に生きる我々を脅かす数々の病。これらを解決する鍵は寄生虫にあった!しかもその原因は、特定の寄生虫の「存在」が引き起こしているのではなく、「不在」によって引き起こされていたのだという。 表紙のアメリカ鉤虫のカバー写真に首根っこをつかまれ、膨大な資料に基づいた「寄生虫視点による世界史」の筆致に目を見開かされ、最後はアメリカ鉤虫を体内に取り込む著者自身の人体実験によって、ノックアウトされる。書は、そんな濃厚で濃密なパッケージの一冊である。 「不在」の病、その存在への気付きは、著者がボリビアのアマゾン地域に住むチマネ族の元を訪れたことから始まる。今でも石器時代のようなライフスタイルを送るチマネ族の人々。彼らは様々な感染症に罹っている一方で、自己免疫疾患の有病率はニューヨークに比べて遥かに低かったのだ。 著者は、自身がアレルギー疾患と自己免疫疾患の両方を

    『寄生虫なき病』 - 黒の過剰か、白の不足か - HONZ
  • この写真から目を背けてはいけない『フォト・ドキュメンタリー人間の尊厳』 - HONZ

    最初はちょっとした好奇心からだった。アメリカ・ペンシルバニア州の大学に通う林典子が、大学の掲示板に貼りだされていた「西アフリカ・ガンビア、研修参加者を募集」の掲示に興味を持ち、参加を申し込んだのは2006年1月。大学3年の春学期になったばかりのことだ。 ガンビア共和国は大西洋とセネガルに囲まれた細長い国土で人口は180万人ほど。その年の5月に教授の引率で入国し、行政機関を視察しアフリカ政治について授業を受けたのち、彼女ひとり帰国を遅らせ、現地の人と暮らすことにしていた。 ガンビアは1944年に軍事クーデターが起き、ヤヤ・ジャメ大統領が独裁政治を敷いている。拷問や違法逮捕など人権侵害が頻繁に行われ、報道管制が厳しいなか、林は独立系の新聞「The point」に押しかけて記者として採用された。驚くべき行動力というか、若さゆえの無鉄砲というか。この持って生まれた気質が、彼女を大きく成長させてい

    この写真から目を背けてはいけない『フォト・ドキュメンタリー人間の尊厳』 - HONZ
  • 『地図と領土』by 出口治明 - HONZ

    僕の至福の時間は、大きい屋をあてもなく歩き回り、目に飛び込んできたをそぞろ読む時間だった。ベンチャー企業を経営するようになって、時間がなくなり、こうした楽しみは奪われてしまったが(今は、主として新聞の書評で代替している)、どれだけの大書店であっても、書は、真っ先に目に留ったに違いない。フェルメールの大好きな1枚(の1部分)をそのまま表紙に使っているからだ。鬼才ウエルベックの最新作である。 不思議な物語である。3部から成る書は、ジェド・マルタンという現代の成功したアーティスト(写真家、画家)の伝記の体裁をとっているが、主人公に次ぐ最も重要な登場人物として、「世界的に有名な作家、ミシェル・ウエルベック」が顔を出すのである。つまり、ウエルベックがウエルベックを描いているのである。しかも、およそ尋常ではないやり方で。 美術学校を出たジェドは、ビーチリゾート施設の一括請負に事業を特化した建築

    『地図と領土』by 出口治明 - HONZ
  • 『宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか』訳者あとがき by 竹内 薫 - HONZ

    超天才ロジャー・ペンローズ! 書は超天才ロジャー・ペンローズ博士の最新刊だ。 え? ペンローズって誰? うーん、たしかにペンローズは、玄人ウケするものの、さほど一般科学ファンに浸透しているとはいえないかもしれない。でも、この人、マジでスンゴイ科学者なんです。 ペンローズは、誰でも知っているホーキング博士のお師匠さんなんですね。あの「車椅子のニュートン」と呼ばれる天才物理学者の博士論文を審査して、のちに一緒に共同論文を書いていたりするわけ。 ペンローズの名前は、版画家エッシャーの不思議絵の科学的なヒントを与えた人物として、芸術史にも顔を出す。それもペンローズが、まだ子供の頃にエッシャーに教えたというのがスンゴイところ。 ペンローズは、トイレットペーパー訴訟でも世界的に有名になった。彼が発見した「準結晶」(=完全に規則正しくないけれど、秩序のある、結晶の仲間と考えてください)のパターンを、さ

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  • 『救命 東日本大震災、医師たちの奮闘』文庫版後書き by 海堂 尊 - HONZ

    ひとの善意を壊すもの 文庫化にあたり、単行の後書きを読み返してみた。後書きを執筆したのは2011年7月で、世の中が東日大震災の余波の真っ只中にあった頃だ。 あれから二年半。世の中は変わった。 被災地の頑張りの方向性は一貫しているが、社会のベクトルは大きくぶれ、被災地をネグレクトする方向に動いてしまった。そうした動きをここで詳細にあげつらうと却って論点がぼけてしまうので、一点に集中して述べる。 それは行政と政治の、被災地、ひいては日国民全体に対する背信行為である。 震災後と2014年初頭の、もっとも大きな違いは、民主党政権から自民党政権に政権交代したことだろう。自民党政権は、以前、凋落した原因をすっかり忘れ、完全に官僚制度の無批判全面支持というスタイルに舞い戻ってしまっている。 そして官僚が震災後に行なった、もっとも悪辣な行為が「復興予算の流用」である。復興予算という名の下で集めた税金

    『救命 東日本大震災、医師たちの奮闘』文庫版後書き by 海堂 尊 - HONZ
  • 『記者たちは海に向かった』 - 半径10kmのジャーナリズム - HONZ

    記録を残すとは、時に残酷なものである。 書の表紙をめくると、そこには一枚の写真が掲載されている。カメラに向かって微笑む、福島民友新聞の6人の記者たち。撮影されたのは、2011年3月9日。後方には激震と津波によって後に消失してしまう「ろうそく岩」もそびえ立つ。そして6人の運命が、やがてジグソーパズルのようにバラバラに引き裂かれていくことを、彼らはまだ知らない。 記録を残すとは、時に希望を生み出す。 2011年3月12日の福島民友新聞の社説は、このような書き出しで始まる。 <私たち福島県民にとって、これまでに経験したことがない、想像を絶する揺れだった。> 一次資料もなく、被害状況も分からず、周囲が安否確認をしているさなかに書き出された文章は、助け合い、支え合うことへの呼びかけを目的とし、多くの被災者の元へと届けられた。 だが、このわずか3日ほどの間に、福島民友新聞の中では想像を絶するドラマが

    『記者たちは海に向かった』 - 半径10kmのジャーナリズム - HONZ
  • 『遺体 震災、津波の果てに』文庫版あとがき by 石井 光太 - HONZ

    あの日から、三年が過ぎようとしている。 東日大震災が起きて間もなく釜石の地に着いたとき、私は3年後の釜石を想像することができなかった。あまりに凄惨な現実に圧倒され、目の前にある光景以外のものを思い浮かべる力が木端微塵に砕け散ってしまっていたのである。異臭と寒さと瓦礫が私にとっての被災地すべてだった。 書の執筆は、そんな私にとって祈りともいうべき作業だった。壊滅した町にあっても、生き残った人々は遺体を捜索し、搬送し、検案し、なんとか人間の尊厳を保ったまま家族のもとへ送り返そうとしていた。私にはそうした行為が真っ暗な闇に灯る、一つの小さな光のように思えた。この光が少しずつ大きくなっていけば、釜石が再び歩み出す力となりえるのではないか、いや、どうかなってほしい。そんなふうに自分に言い聞かせながら、人々とともに過ごし、話を聞き、書き綴っていったのが書なのである。 最近、3年が経とうとして釜石

    『遺体 震災、津波の果てに』文庫版あとがき by 石井 光太 - HONZ
  • 『原発敗戦 危機のリーダーシップとは』 リーダーには何が必要か - HONZ

    福島原発事故は「第二の敗戦」だった。 著者は、深い敗北感のただなかにいる。わたしたちは何も学んでいないのではないか、日は70年前の敗戦から何も変わっていないのではないか。民間事故調のプログラム・ディレクターとして、ジャーナリストとして、つぶさに事故の経過を調査・検証してきた著者は、敗北感にとらわれながらも、日再出発への道を模索する。 書では事故を時系列的に追うのではなくず、「危機のリーダーシップ」に焦点があてられている。危機に直面したリーダーはどのように振る舞うべきなのか、組織にはどのようなガバナンスが求められるのか。コンパクトにまとめられた書には、敗戦から立ち上がり、次の危機へ備えるためのヒントが凝縮されている。 「第二の敗戦」の因果関係を説明するために文化論(日人論)を用いるべきではないと、著者は説く。文化を悪玉にすれば、責任の所在は不明確となり、どのような努力も事態の改善に

    『原発敗戦 危機のリーダーシップとは』 リーダーには何が必要か - HONZ
  • 無能な研究者のずさんな仕事……なのか?  除草剤アトラジン問題のゆくえ - HONZ

    除草剤アトラジンをめぐる長年の論争がひとつの山場を迎えているようで、『ニューヨーカー』の2月10日号にホットなレポートが載っていました。アトラジンは日でも使われている除草剤でもあり、今後の成り行きが注目されます。 が、今回の記事はアトラジンの性質というよりもむしろ、医薬品や農薬などの安全性を調べている科学者が、その製品を製造販売している企業にとって好ましくないデータを出してしまったらどうなるのか--しかもそこに巨額の金が絡んでいるときには--という、われわれとして知っておくべき残念な事実に関するものでした。 除草剤アトラジンの問題は、両生類(とくにカエル)の内分泌学を専門とする、タイロン・ヘイズという研究者を抜きにしては語れないようで、『ニューヨーカー』の記事もヘイズを軸として展開されていました。 ヘイズは、サウスカロライナ州出身のアフリカアメリカ人で、彼が生まれ育った地域では、人口の

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  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    怖い…でも見たい!怪異と戦う弱小少年!『ミヤコ怪談』第9話前編 2018年10月01日 気弱な少年と不良少女のジュブナイルホラー。 虐められっこの草弥は、クラスメイトに脅されて、「タタリ場」への調査に向かうのだが、出会ったのは、世にも恐ろしい妖怪の数々だった… 「ミヤコ怪談」はメデ...

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  • 『仁義なきキリスト教史』 新刊超速レビュー - HONZ

    昨夜、Facebook上でお騒がせいたしました注目の新刊はこれでございます。間違いなくHONZメンバーが先制攻撃をしてくると思われるため、決死の「新刊超速レビュー」で紹介することにいたしました。 なにしろ書は全編にわたった広島弁・やくざ弁で構成されるという奇跡のキリスト教史。東映のヤクザ映画を見ていた年代の人々にも、そうでない人々にも驚愕の一冊であります。いやはやスゴイです。なんせね、目次からしてスゴイ。 第1章 やくざイエス 第2章 やくざイエスの死 第3章 初期やくざ教会 第4章 パウロ–極道の伝道師たち 第5章 ローマ帝国に忍び寄るやくざの影 第6章 実録・叙任権やくざ闘争 第7章 第四回十字軍 第8章 極道ルターの宗教改革 終章 インタビュー・ウィズ・やくざ 帯には「あいつら、言うてみりゃ人の罪でメシうとるんで」のキャッチ!「エンタメで学べる画期的キリスト教入門」とありますが、

    『仁義なきキリスト教史』 新刊超速レビュー - HONZ
  • 『エロの「デザインの現場」』 - R18の想像力 - HONZ

    なにもかもが久しぶりの経験であった。 書店でなかなか見つからず、店員さんに「『エロのデザインの現場』って、ありますか?」と聞いてちょっと恥ずかしかったこと。電車の中で隣の人に覗きこまれないよう、表紙に角度をつけてガードしながら読まなければならなかったこと。家に帰ってきてからもに見つからぬよう、大きめの写真集の隙間に背を奥側に向けてしまうなど細心の注意を払わなければならなかったこと。 誤解のないように強調しておくが、書は別にエロではない。エロのデザインを司った男たちの物語、そしてその制作現場について書かれたである。だが、それでも眉を潜める人というのは少なからずいるだろう。かくもエロには人権がない。しかし書を一読するだけで、エロは恥ずかしくて隠さなければならないものというイメージがきっと払拭される。 登場する9人のデザイナーは、いずれもエロのデザインをすることが好きでかっこい

    『エロの「デザインの現場」』 - R18の想像力 - HONZ
  • マンガHONZ応募レビュー『アマイタマシイ』by 佐藤 茜 - マンガHONZ

    主人公が実在していたら、ぜひTBS「情熱大陸」や、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に取り上げてほしい。なにせ、プロとしての意識、生き様が素晴らしいのだ。働く姿勢から、多くのことが伝わってくる。 話の始まりは、商工会職員の柴田羽衣と大学生でスイーツ・コーディネーターの川島賀句が共同出資し、物語の主人公パティシェ熊谷周作に、パティスリーを作ろうと持ちかけるところから始まる。 ただし、出店場所はシャッター通りの商店街。シェフはさっさと席を立つ。その際に熊谷は言う。 「おまえらと仕事すると思うか?天才のこの俺が」 熊谷は人格形成に多大な問題を抱えており、自らの才能に嫉妬して辞めた店から刺客が襲ってくるということもまじめに思っている。自信過剰・傲岸不遜・唯我独尊の駄目人柄オンパレードで、以前務めていた店もパティシエと揉めて辞めたのだった。 これだけ書くと、どこが良いのかと思うだろう。しかし読

    マンガHONZ応募レビュー『アマイタマシイ』by 佐藤 茜 - マンガHONZ
  • 『行ってもイイ精神科、ダメな精神科』ETV特集「トラウマからの解放」も併せておススメ! - HONZ

    うつのプロともいえる、現在60代の女性が都内23軒の精神科を尋ねたルポだ。著者は大学の演劇科を卒業した20代から今日までアングラ女優。新宿ゴールデン街でバーを経営している。40代に大学の心理学科を卒業し、精神保健福祉士の資格も取得して、精神科クリニックに長く勤務していた経験もある。2回の離婚で幼児期と思春期に辛い思いをさせた娘さんへの悔恨もあり、若いころには重度のうつ病に罹ったこともある。そして60代になり、うつが再発したことから都内23区の精神科を巡る旅を始めたのだ。 おそらく世界初の精神科ルポルタージュだ。それも医師を偽ることなく物の初診患者が精神科を回るのだ。当然人はうつなのだから取材は苦痛を伴うものだった。その苦労の結果、著者が会った医師たちは見事に千差万別の反応を示したのだ。 典型的なうつ病だと診断した医師 14人 非定形うつ病を診断した医師 5人 躁うつ病 1人 かくれ躁う

    『行ってもイイ精神科、ダメな精神科』ETV特集「トラウマからの解放」も併せておススメ! - HONZ
  • 『チーズと文明』 by 出口 治明 - HONZ

    偶に芳醇な赤ワインを飲み、フランス料理をいただくと、何故か、後に無性にチーズがべたくなるときがある。でも、これは何も人間に限った話ではない。9,000年前に、西アジアで生まれたチーズは、神々も大好きだったのだ。何しろ、シュメールの豊饒の女神イナンナは、チーズに魅かれて夫に羊飼いのドゥムジを選んだくらいなのだから。 書は、人間の文明史と交差するチーズ9,000年の歴史を、分かりやすく語った物語である。チーズの起源から説き起こし、メソポタミアからアナトリアを経由してエーゲ海へ、エーゲ海からケルト人へ、そして、ギリシャ・ローマ世界からキリスト教の修道院を経てヨーロッパへと、チーズが夫々の時代や土地に合わせて、進化を遂げつつ拡がっていくプロセスを簡明に解説してくれる。 古代のチーズは、メソポタミアでは先ず、神殿に奉納されるものだった。また、ギリシャの神々はチーズの好みに、ことのほかうるさかっ

    『チーズと文明』 by 出口 治明 - HONZ
  • そうだったのか 『生理用品の社会史 : タブーから一大ビジネスへ』 - HONZ

    読んでよかった、というがある。いろいろな場合があるけれど、そのうちのひとつは、その一冊を読んだら、この分野では、もうを読む必要がないだろう、と思わせてくれるである。『暗号』はたいがい好きであったけれど、サイモン・シンの『暗号解読』を読んで、もうそれ以上は読む必要がなくなった。『野口英世』は何冊読んだかわからないが、イザベル・プレセットによる『野口英世』を読んでからは、もうやめにした。 生理-医学的には月経である-についてのはこれまで読んだことはなかった。しかし、こののおかげで、生理用品についてのは、一生読むことはないだろう。そもそも、男がそんなもんを読むな、と言われそうな気もするが、この、前書きにちゃんと『日の生理用品が歩んできた道のりについて、女性はもちろん、男性にも知っていただけたら幸いである。』と書いてあるし、まけといてちょうだいね。 月経は、かつて、『血の穢れ』

    そうだったのか 『生理用品の社会史 : タブーから一大ビジネスへ』 - HONZ
  • 『内田樹による内田樹』 – HONZ

    内田せんせ(※大阪弁の発音を字にするとこうなる)が、ゼミで自分ののことを話すんですって あれは3年前。内田樹先生が当時勤めていた神戸女学院大学を退職される前年、2010年の夏頃だったと思う。大学院で開講していた社会人聴講生を交えたゼミのテーマが、「内田樹の自著解説」に決まったという話を耳にした私は、社内の定例会議でそのことを持ち出した。 予想通り、岸和田のだんじりエディター(@内田樹)こと江弘毅をはじめ、会社の全員がノッてきた。 「それはおもろいな。にしたら絶対売れるわ」 「内田せんせが、なぜこのを書いたのかを解説するんです。 これを読めば内田樹の頭の中がわかる…と」 「なるほど。タイトルは、『内田樹による内田樹』か。うん、ええな」 「ファンの人も編集者もみんな買いますよ!」 「ほんまやな。わはは」 「そうですね。わはは」 と、おおむねこんな感じで一瞬のうちに出版企画が立ち上がった。

    『内田樹による内田樹』 – HONZ
  • 『オレたちバブル入行組』/『オレたち花のバブル組』-編集者の自腹ワンコイン広告 - HONZ

    今や堺雅人さん演じるドラマ「半沢直樹」が社会現象となり、「やられたら倍返し!」が流行語大賞になりそうな勢いですが、シリーズ第一弾『オレたちバブル入行組』の連載が始まったのが10年前のことでした。 著者の池井戸潤さんのデビュー作『果つる底なき』は元銀行勤務という経歴を生かした設定のミステリーで、読んですぐに会いに行きました。実は、私の夫もバブル入行組の銀行員なのですが、出版社勤務の自分とは180度違う世界にカルチャーショックを受けっぱなしでした。池井戸さんは有能なバンカーであったことを彷彿とさせるクレバーかつ情熱的な著者で、打ち合わせの時間はいつも充実したものでした。 『株価暴落』という書き下ろしをいただいた後、若い作家の連載媒体としてリニューアルすることになった「別冊文藝春秋」で、池井戸さんにも新連載をお願いすることになり、青山の喫茶店で打ち合わせしている時です。 「同期入行の友達と最近会

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  • 『代替医療解剖』文庫版訳者あとがき by 青木薫 - HONZ

    稿は、2013年8月に文庫化された『代替医療解剖』の訳者あとがきです。2010年1月に刊行された単行『代替医療のトリック』の翻訳者あとがきはこちらから(※編集部) この文庫版のための訳者あとがきでは、書の単行が刊行されてからこれまでに起こった代替医療関係の出来事のうち、とくに興味深いと思われるものを2つほど取り上げてご紹介したい。 まず1つ目は、書の著者の1人であるサイモン・シンが、英国カイロプラクティック協会に名誉毀損で訴えられた一件である。2008年、書の原書がイギリスで刊行されるのに合わせ、シンは『ガーディアン』紙のウェブ版のコラムで、子どもの腹痛や喘息などを治療できるとして、子どもに施術しているカイロプラクターがいると述べた。 英国カイロプラクティック協会はそれに対し、シンの書き振りは、まるで協会の指導部がそれと知りつつインチキ療法を許しているかのように読め、事実上、協

    『代替医療解剖』文庫版訳者あとがき by 青木薫 - HONZ