ミハイロ・ペトロヴィッチ(以下、ミシャ=ペトロヴィッチ監督の愛称)は浦和レッズの指揮官に就任して以降、一貫して選手たちにハードなトレーニングメニューを課してきた。それはひとえに自らが志向するサッカースタイルを彼らに植え付け、新たな“浦和のサッカー”を構築する強い意志があるからにほかならない。 2月中旬に実施された鹿児島指宿キャンプのある日の練習中に、選手たちが指揮官の意図に反する動きを繰り返した。するとミシャは突然大声を上げて練習を止め、選手たちを叱責(しっせき)した。 「なぜ君たちが去年(リーグ戦)15位になったのかをもっと深く考えてみなさい。そうやって、何でも自分本位に考えて行動をしていなかったか。誰かのせいにして、自分はその責任から逃げてこなかったか。今年、わたしたちはチームとして、ひとつの目標に向かって戦っていくんだ。そのためにわたしたちは目指すべきサッカーを構築する努力を重ね