2014年、空き家率が過去最高の13.5%になったことが大きく報道されました。増加の一途をたどり、地域の活力を奪うとされる日本の「空き家問題」。しかし一方で、空き家を地域再生の手がかりとして活用する都市や、空き家を利用してあらたに事業をはじめる人々が増えています。空き家を使った地域再生の秘訣とは何か──日本に先行する縮小都市であるドイツのライプツィヒにおいて、空き家を活用した地域再生の事例を紹介してきた大谷悠氏が、今度は尾道の空き家再生プロジェクトの事例を紹介します。 人口減少が進み、空き家が増える広島県尾道で、物件探しから定住支援まで移住希望者たちを強力にサポートしている「NPO法人尾道空き家再生プロジェクト」。会員数は200人を超え、山手地区を中心に100軒ほどの空き家の再生にかかわり、地元に雇用を生み出してきました。NPOの特徴は、代表の豊田雅子さんをはじめ、NPOメンバーが体験した