日本語ブームの中、『広辞苑 第6版』が2008年1月11日、発売された。出版不況が続き、電子辞書市場が拡大する中で、多彩なメディアを駆使したマーケティング手法を展開。その存在感を改めてアピールしたことで、奨励賞に輝いた。岩波書店営業局宣伝部部長の宮本哲男氏が、受賞の背景などを語った。 メディア環境が変わる中 「変わらぬブランド」をアピール ――受賞の感想を聞かせてください。 広辞苑の第6版は、第5版から10年ぶりの改訂でした。そういう意味では、第1回の選考対象となった2008年度に刊行できたことは幸いなめぐり合わせで、大変光栄に感じています。 ――受賞された「広辞苑 第6版の販売プロモーション」の概要は。 第5版が刊行された10年前とは、社会的状況もメディア環境も大きく変化しました。紙の辞書市場は、10年前におよそ1,200万部だったものが、今は650万部程度に減り、その