2006年10月9日発行号で特集記事「カメラ王国は永遠か」を執筆した。特集記事では国内カメラ・メーカーの中長期的な勝ち残り策に多くのページ数を割いたが,このブログでは高級機に絞って今後の展開を考えてみたい。電子・光学技術の進展を考えると高級カメラ=一眼レフ機という状況がそう長くは続かないと,私は考えている。 課題が多い一眼レフ機 デジタル・カメラになったことで一眼レフ機は,数々の課題を抱えるようになったからだ。例えば,撮影前にホワイト・バランス(環境光による色ズレの補正)を経た画像処理結果を,ユーザーは本体背面の液晶モニタで見ながらシャッターを切れない。こうしたコンパクト機で当たり前の機能を備えていないのは,撮影前に光学像を電子データ化していないからだ。一眼レフ機は「レフ」という単語が示すようにミラーを内蔵し,光学ファインダーを使っている(下図)。 図の説明●デジタル一眼レフ機では,ミラー