新型コロナウイルスの感染拡大の余波で、閑散とする夜の祇園(9日午後7時25分、京都市東山区・花見小路通四条下ル) 新型コロナウイルスの流行は、京都を代表する繁華街・祇園にも深刻な影響をもたらしている。国内外の大勢の観光客が訪れ、「観光公害」の一端をみせていた一帯からは人通りが消え、静寂に包まれている。「豪雨災害が毎日続いているようだ」「ゴーストタウンになった」。先の見えない生活不安に襲われた料理店やスナック、バー、花街の関係者たちは口々に客の激減した現状を嘆き、悲鳴に似た声を上げていた。 安倍晋三首相は11日の政府の対策本部会合で、繁華街の接客を伴う飲食店の利用を全国で自粛するよう要請。政府は感染者集団「クラスター」の発生を防ぐためとするが、飲食店の苦境は一段と深刻化する。新型コロナ特措法に基づく緊急事態宣言が東京都や大阪府、兵庫県などに出され、京都府や京都市が住民に宣言対象地域並みの自粛