京都府舞鶴市小橋地区で15日、先祖の霊を海に送る精霊船(しょうらいぶね)行事があった。漁村のお盆の伝統を継ぐ行事で、住民らが飾り付けた竹船を海岸から送り出した。 精霊船行事は府登録無形民俗文化財で約50世帯の住民が守る。14日に竹やわらで約6メートルの船を作り、小中学生が飾り付けをした。 この日、地元の海嶠(きょう)寺で施餓鬼の法要を営み、住民は施餓鬼の旗や各家庭に設けられた「精霊棚」の竹などを海岸に置かれた精霊船に積んだ。 住民は力を合わせて精霊船を海上に運び出し、漁船がえい航した。浜辺では多くの住民が見守り、約16キロ沖の冠島近くまで運ばれる精霊船に手を合わせていた。地元の会社員の男性(62)は「新型コロナウイルスの問題があって、帰省は少ないが、無事に送り出せた。戦後75年でもあるので平和やコロナの収束も願いたい」と話していた。