パワハラを巡る裁判の和解が守られずに精神的苦痛を受けたとして、東京都内の40歳代の女性が、勤務先と元幹部ら5人に慰謝料などを求めた訴訟で、東京高裁(杉原則彦裁判長)は26日、女性の請求を棄却した1審・横浜地裁判決を取り消し、請求通り330万円の賠償を命じる判決を言い渡した。 高裁判決によると、女性は社会保険労務士で組織する「神奈川SR経営労務センター」(横浜市)で、勤務中にパワハラを受けたとして同地裁に提訴し、2012年11月に和解。しかし、元幹部らが和解後、女性に非があるかのような発言をしたなどとして改めて提訴していた。 高裁は「センターの対応は不誠実で、和解に基づく再発防止義務を怠った」と認定。「幹部らは社労士でありながら、専門分野の労務管理で対応を誤り、責任は重大」とも指摘した。