厳しい残暑が続く奈良市では、夕方になると鹿が涼を求めて芝生などに密集する光景が注目を集めている。奈良国立博物館前の芝生では、午後5時をすぎると、100頭を超える鹿がどこからともなく集まり、おなかを地面につけて休息していた。SNSなどでは「鹿だまり」や「鹿だんご」などと呼ばれ話題を呼び、外国人観光客らが熱心に写真撮影をしていた。 芝生は、同博物館のなら仏像館と東新館・西新館を結ぶ地下回廊の地上部分に位置する。近くに換気口があり、流れ出る冷たい空気を求めて集まっているのではないかといわれている。集まる場所は、道路脇の側溝だったり、歩道だったりもする。鹿の保護施設「鹿苑(ろくえん)」を管理する奈良の鹿愛護会によると、「ねぐらに帰る途中で休んでいると考えられるが、詳しい原因はわからない」という。 春日大社境内の飛火野などでも観察できるという。秋の繁殖期の9月ごろには、雄1頭を中心とした小さなグルー