米政府は外交文書を30年後に全面公開する。極秘文書であっても30年間で時効となるのだ。これは、米国が偉大な国であるという証しのひとつではなかろうか(日本には時効はない。極秘文書は永遠に極秘だ)。 1945年は昭和20年。米国の日本占領が始まった年だ。その30年後となる1975年、私はワシントン大学大学院の博士課程で研究をしていた。そのとき、日本占領の極秘文書が公開されることを知り、すぐさま首都ワシントンに飛び、米国立公文書館(National Archives)へ直行した。米国立公文書館には、独立宣言の原文があり、米国政府の重要文書すべてが保管してある。公文書館の建物はほれぼれするほど見事。これは国力か、富の深さか。いや、歴史を大切にする心意気であろう。